シリア・クサイル(Qusayr)の自由シリア軍(Free Syrian Army)拠点に座るマスク姿の離反兵士(2012年3月1日撮影)。(c)AFP/GIANLUIGI GUERCIA 【3月5日 AFP】27日間にわたって政府軍による激しい砲撃に抵抗した末、中部ホムス(Homs)のババアムル(Baba Amr)地区から「戦略的撤退」をした反体制派の自由シリア軍(Free Syrian Army、FSA)。政府軍を離反したリヤド・アサド(Riyadh al-Asaad)大佐によって率られたFSAは、数千人規模の戦闘員を抱えるものの、いまだに統率は乱れ、政府軍の地上部隊による猛攻に対抗するだけの火力は有していなかった。 ■離反兵士らで結成、戦闘員2~4万か 経験は浅い 前年7月、アサド大佐はシリア政府による反体制デモ弾圧に抗議して、軍からの離反を発表。同大佐率いるFSAは、トルコ国境に近い
【カイロ和田浩明】チュニスでのシリア反体制派支援国会合は、「人道に対する罪を犯した疑い」(国連)と批判されるほどのなりふり構わぬ武力弾圧を続けるアサド政権に、欧米、アラブの有志国が一致して圧力強化の決意を示すことが目的だ。しかし、ロシア、中国、イランがアサド政権支持に回る中、短期的に停戦やシリア国民への人道援助を実現するには困難が多い。 24日の会合の主要課題である人道援助については、赤十字国際委員会がすでにアサド政権に、毎日2時間の停戦を呼びかけ交渉中だが実現していない。今後、国連とアラブ連盟がシリア問題の共同特使として任命したコフィ・アナン前国連事務総長が働きかけを行う。 昨年3月に民主化騒乱が本格化して以来、弾圧や衝突による民間人や反体制派戦闘員の死者は、8079人(国連人権理事会任命の国際調査委員会調べ)。しかし、アサド大統領は自らの親族や少数派である出身母体のイスラム教アラウィ派
印刷 シリアのアサド政権による反体制派への武力弾圧を阻止するため、日本や米英仏、親米アラブ諸国などの有志国がチュニスで開いた「シリアの友人」会合は24日、反体制派の代表として「シリア国民評議会」を承認すると発表した。 会合後に出された議長総括によると、国民評議会を「平和的民主化を求めるシリア人の正統な代表」と位置付け、アサド政権打倒を目指す反体制派の中核組織として支援する姿勢を打ち出した。 会合は今後も随時開催し、次回は3月22日にトルコ・イスタンブールで、その後フランスで開催するという。 購読されている方は、続きをご覧いただけます関連記事〈ロイター〉シリア反体制派が中国外務次官と会談、拒否権行使後初めて(2/9)〈ロイター〉世界30カ国超がリビア反体制派を承認、米国やEU・アラブ諸国など(8/24)
【テヘラン鵜塚健】イランの半国営メヘル通信は18日、イラン海軍の駆逐艦と補給艦の計2隻がスエズ運河を通過し、イスラエル沖の地中海を抜けてシリア西部タルトスに入港した、と伝えた。イランの核開発問題でイラン・イスラエル関係は緊張しており、今回の軍艦通過がイスラエルを刺激するのは確実だ。また、シリアに国際社会の非難が集まる中、イランは軍艦入港を通じ改めてシリア・アサド政権への支持を明確にした形だ。 ◇イスラエル「動き注視」 イラン軍艦の運河通過は、イスラム革命(79年)以降、昨年2月に続き2度目。運河を管理するエジプトのムバラク政権が昨年倒れ、新政権がイランへの敵対姿勢を修正したため、通過が可能になった。 欧米諸国がイランへの制裁を強化する中、イランは昨年12月末の「ホルムズ海峡封鎖発言」に続き、地中海で海軍を展開することで国内外に軍事力を誇示する狙いだ。サイヤリ海軍司令官は「イランの国力を示し
印刷 関連トピックスドバイハイサム・マレハ氏=石合力撮影シリアをめぐる構図トルコとシリアの地図 シリア反体制派「シリア国民評議会」幹部が17日、アラブ首長国連邦ドバイで朝日新聞記者のインタビューに応じた。シリア軍離脱兵らでつくる武装組織「自由シリア軍」との間で調整機関設置に合意しトルコ国境に「解放区」をつくる作戦を近く始めると述べた。 親子2代のアサド政権下で政治犯として長年拘束された、国際的にも著名な人権弁護士ハイサム・マレハ氏(81)。アサド政権が国際的な孤立を深めるなか、反体制派の政治、軍事部門の連携を強め、政権打倒に向けた国際社会の支援を加速させる狙いだ。自由シリア軍の兵力は現時点で数万人規模。解放区を作るには、欧米、湾岸諸国による軍事、財政支援や国際社会による「飛行禁止空域」設定などがカギになる。24日にチュニジアである反体制派支援の「シリアの友人」会合について「政権打倒に向
【カイロ和田浩明】反体制派の武力弾圧を続けるシリアのアサド政権に対し、欧米や一部アラブ諸国は退陣圧力を強めている。しかし、反体制派も一枚岩にはほど遠いのが実情だ。「アサド後」に民主的な国家統治が可能な組織は存在せず、混乱状態が生じる可能性もある。 反体制派の代表的組織の一つは、昨年8月にトルコのイスタンブールで結成された「国民評議会」だ。主にシリア国外で活動する世俗主義者とイスラム教スンニ派の穏健派原理主義組織「ムスリム同胞団」関係者らが同居する。代表はパリに拠点を置く政治学者、ブルハン・ガリユン氏。 評議会幹部は昨年12月にクリントン米国務長官とジュネーブで会談した。今月24日にチュニジアで開催予定の「シリアの友人」支援国会合にも参加するとみられる。だが、幹部は長年亡命生活を送っており、シリア国民一般への影響力は極めて限定的。幹部間の路線対立もささやかれ、指導力を発揮できるかは未知数だ。
【カイロ和田浩明】アサド政権による反体制派弾圧が続くシリアで、反体制派が武器価格の高騰に頭を悩ませている。品薄のため価格は数倍に上昇、幹部によると、「政府側密売人などからも買い付けている」という。一方、武器は隣国イラクからも流入。イラク政府幹部は国際テロ組織アルカイダ関係者の関与も指摘し、混乱に拍車がかかっている。 離反兵士団体「自由シリア軍」のマリク・クルディ副司令官が毎日新聞に証言したところでは、離反兵士らが保有する武器は自動小銃や対戦車砲などの軽火器が主。逃走時に保有していたものや、戦闘で入手したもの以外に「政府側密売人や、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ関係者から購入する場合もある」という。 武器価格は高騰中で、AK47自動小銃(カラシニコフ)が紛争前の約2倍の1丁1000ドル(約7万9500円)。品薄で「手に入るのは1日10丁程度」。弾薬は1発1.5~2ドル(約119~1
大統領制、一党独裁制を問わず、息子に跡を継がせたいと思うのは、何も最近指導者が急逝した隣国だけに限ったことではない。 「共和制なのに王政みたいに世襲する」パターンを揶揄的に「ジュムルーキーヤ」と呼ぶ、と紹介したのは、現代シリア研究の第一人者、青山弘之氏である。アラビア語で共和制を表わすジュムフーリーヤと、王制を表わすマラキーヤを合わせた造語だが、11年前に30年間の治世の後逝去した父ハーフェズのあとを継いで大統領に就任した、シリアのバッシャール・アサド政権の誕生が、アラブ世界では最初だ。 金日成の死後、金正日へと正式に引き継がれたのがその四年前だから、北朝鮮のほうがアラブに少し先だって「ジュムルーキーヤ」が成立している。しかも、北朝鮮では三代目にまで引き継がれたというのに、アラブでは今年、二代目がバタバタと倒れた。エジプトではムバーラク大統領が息子ガマールを、リビアではカッザーフィ大佐がセ
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