村上:確かに追加金融緩和は予想外でした。ただ、冷静に見れば、GDP(国内総生産)やCPI(消費者物価指数)の見通しを下方修正するとともに、追加緩和に踏み切るのは妥当な判断です。消費増税のショックで景気回復が止まり、物価の下方リスクを日銀が認識したことが背景にあります。2%の物価安定目標の実現のために必要な措置と評価できます。 対照的に米連邦準備理事会(FRB)は量的緩和第3弾(QE3)の終了を10月29日に決めました。米国経済の回復は本物でしょうか。 村上:米国は1~3月期に寒波の影響もあってマイナス成長に陥りましたが、それ以降は順調に回復しています。7~9月期の実質GDPは前期比年率で3.5%増加し、市場の事前予想を上回りました。私は米国の強さは失われていないと見ていましたが、その見方は当たっていました。 IMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを下方修正したり、エボラ出血熱への警戒感が高