10月31日に自民党と幹事長会談に臨んだ国民民主党。衆院選で与党が過半数を割った今、この先の政権運営でカギを握る存在として脚光を浴びる。衆院選で獲得した議席数は改選前の4倍の28。比例代表の得票数は300万票超も上積みした。そんな国民民主は選挙中、家計思いの姿勢を打ち出したが、実は別の顔も持つ。それでも躍進した背景をどう捉えるべきか。 (宮畑譲、森本智之)
新政権を発足させた石破茂首相は10月4日に臨んだ所信表明演説で、かつて師事した「ミッチー」こと渡辺美智雄元副総理(1923~1995年)の言葉を引用し、政治家の仕事とは「勇気と真心をもって真実を語る」ことだと訴えた。だが首相は、自民党総裁選の期間中に示していた国会審議重視の方針を撤回。野党が要求する予算委員会での論戦を行わないまま、臨時国会最終日の10月9日に衆院を解散する方針だ。 渡辺美智雄氏の長男で、石破首相が初当選した衆院選を美智雄氏の秘書として手伝った経験もある渡辺喜美(よしみ)元行政改革担当相(72)=2022年に政界引退=は、自身のSNSで「今、ミッチーが生きていたら、『勇気と真心をもって真実を語れ、国会を解散する前にだ』と言うのではないか」と指摘する。渡辺喜美氏に、このたびの首相の「変節」をどう見ているか、聞いた。(宮尾幹成)
ロシアによるウクライナ侵攻を巡り、6月中旬に約100の国・機関が参加する「世界平和サミット」がスイスで開かれたものの、ロシアは招待されず、中国は欠席、インドなど主要新興国も共同声明への署名を見送った。ロシアの軍事に詳しい小泉悠・東京大学先端科学技術研究センター准教授(42)は「戦争は当面続く」と見通した上で「即時停戦には反対だ」と言い切った。(滝沢学) 小泉氏は「ロシアのプーチン政権は、(ウクライナが)占領地を差し出せば戦争をやめる、とは約束していない」と指摘。「ロシアの要求はウクライナの政権すげ替えや非軍事化であり、土地を渡せば停戦が可能との議論は第三者の勝手な思い込みだ」と楽観論を否定した。 ロシアの侵攻から2年となる2024年2月24日、ウクライナの首都キーウ(キエフ)で、献花するウクライナのゼレンスキー大統領(中央)、欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長(右から2人目)ら
アベノミクスの10年、労働者にツケ…「意外。教科書にはなかった」 元首相の指南役・浜田宏一氏インタビュー 大規模な金融緩和を中心とした安倍晋三元首相の経済政策「アベノミクス」の指南役として、当時内閣官房参与を務めた浜田宏一米エール大学名誉教授(87)が本紙のインタビューに応じた。浜田氏はアベノミクスの10年間について、大企業で利益が出ても中小企業や労働者に恩恵が波及しなかったことに「意外で、いびつな状況」との見解を示した。主なやりとりは次の通り。(原田晋也)
近年、世界的に社会貢献を打ち出す企業が増えてきた。株主の利益だけを追求するのではなく、地球環境や格差縮小に貢献することを前面に掲げ、直接利益にならない「社会正義」を実践する企業が増えてきているのだ。本書ではそれをウォーク資本主義と名付けている。私はそれを「偽善」だと思っていた。温室効果ガス削減を叫ぶ企業のトップが下駄(げた)代わりにプライベートジェットを乗り回していたり、格差是正を訴える企業が、途上国の労働者に低賃金・長時間労働を強いる低単価発注を繰り返しているからだ。 ただ、同時に私は偽善でもいいじゃないかと考えていた。偽善とはいえ、人と地球を守る活動にいそしむことは、利益の追求だけを考えている企業よりも、ずっとましだと思っていたのだ。本書の主張は、私のそうした理解を根底から覆した。 マルクスは、「資本は増殖し続ける価値だ」と言った。カネを増やすことだけを考える経済主体が資本家であり、株
世界で最も身体拘束が行われている日本の精神科病院。厚生労働省では現在、拘束要件の見直しが不透明なまま進むが、精神科病院を束ねるドン・日本精神科病院協会(日精協)の山崎学会長(82)はどうとらえているのか。「こちら特報部」の単独インタビューに応じた山崎氏の言葉を詳報する。(木原育子) やまざき・まなぶ 2010年から日本精神科病院協会会長。22年5月の厚労省の私的検討会に突如、参考人として出席し、議論の風向きを変えるなど影響力が大きい。18年には協会の機関誌に「(患者への対応のため)精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という部下の医師の発言を引用し、物議を醸した。安倍晋三元首相と親しかったことでも知られる。日本大医学部卒。
ロシアによるウクライナ侵攻の停戦を訴え、記者会見する伊勢崎賢治さん(右)ら=東京・永田町の衆院第1議員会館で ロシアのウクライナ侵攻による戦禍を止めようと、東京外国語大の伊勢崎賢治名誉教授や岩波書店の岡本厚・元社長ら学者、ジャーナリストらのグループが5日、東京・永田町の衆院第1議員会館で記者会見し、日本を含めた先進7カ国(G7)に「今こそ停戦を」と訴える声明を発表した。 声明は現在の戦闘について「北大西洋条約機構(NATO)諸国が供与した兵器が戦場の趨勢(すうせい)を左右するにいたり、代理戦争の様相を呈している」と指摘。武器の援助をやめ、ロシアとウクライナの交渉の場をつくるよう、G7に求めている。賛同人にはジャーナリスト田原総一朗さんや東京大の上野千鶴子名誉教授、法政大の田中優子前総長ら30人余が名を連ねた。 伊勢崎さんは「停戦は悲劇的な終戦を回避するための政治工作、公平な和平のための、現
衆院は30日、安倍晋三元首相の国葬について検証する協議会を国会内で開き、憲法学を専門とする有識者3人から意見聴取した。国葬実施に当たって国会の承認を求める必要はないとの見解や、政治家の国葬には客観的な基準が必要などの意見が出された。次回は12月2日に開催し、自民、立憲民主など各会派が意見表明する。 関西学院大大学院の井上武史教授は、儀式や行事は行政権の範囲内であり、実施の是非を国会が判断すべきではないと指摘。九州大の南野森教授は、安倍氏の国葬に法律上の問題はなかったと強調した。早稲田大の長谷部恭男教授も閣議決定に基づく国葬の実施に問題はなかったとした。
共産党とれいわ新選組は5日、安倍晋三元首相の国葬に欠席する方針を明らかにした。共産の小池晃書記局長は記者会見で「党として憲法違反だと言っているので、党として誰も出ない」と明言。れいわの山本太郎代表も会見で「れいわとして出席しない。法的根拠がないものをごり押ししようとしている」と述べた。 小池氏は「安倍氏だけなぜ特別扱いなのか。憲法14条の『法の下の平等』に反する」とも批判。政府が決定した各府省庁での弔旗掲揚と黙とうも問題視し「弔意を強制する方向にどんどん進んでいる」と懸念を示した。 山本氏は、岸田文雄首相が国会で説明せずに国葬を決めたことを巡り「閣議決定だけで国会を事実上、形骸化させるようなことは絶対に許してはいけない。政府の裁量だけで決めるのは独裁国家だ」と非難。安倍氏や自民党議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との接点が判明している経緯を踏まえ「それほどやりたいなら、自民党と
6日から行われてきた第104回全国高校野球選手権大会のいよいよ大詰め。この日行われた準決勝で勝ち上がった仙台育英(宮城)と下関国際(山口)が、22日14時からの決勝戦で雌雄を決する。一時Twitterのトレンドにも入った「白河の関越え」とは、これまで一度も甲子園での優勝がない東北勢の悲願を表す言葉。その由来や過去の東北勢の戦績、県別甲子園成績などを振り返ってみる。(デジタル編集部・竹村和佳子)
49歳以下の世代 投票率1%下がると年7万7000円損します! 東北大教授が独自に試算<参院選2022> 10日に投開票される参院選では、低下傾向にある投票率にも注目が集まる。年齢が下がるほど、全国的に投票率が低くなる傾向があるだけに、識者は「49歳以下の世代は、投票率が1%下がると年間約7万7000円損をする」という試算を公表し、投票を呼び掛けている。(井上峻輔、我那覇圭)
物価高と賃金の伸び悩みへの対応は、参院選の大きな焦点になる。30年近く上がらない賃金では、現在の物価急騰をカバーできないからだ。アベノミクスの柱といわれた金融緩和は円安を助長し、さらに物価を押し上げる副作用も指摘されている。与野党には生活の防衛策の提示だけでなく、現在の政策が国民に及ぼす影響への検証も求められている。(渥美龍太)
家庭の貧困が子どもの学習理解や進学を阻んでいる実態が内閣府の調査で鮮明になり、専門家などから政府に対策を求める声が上がっている。交流サイト(SNS)上では、子が親を選べないことをもじった「親ガチャ」との表現が拡散しているが、専門家は責任は保護者でなく、貧困対策に力を入れてこなかった国にあるので、むしろ「国ガチャと言える」と指摘する。SNSでも「自己責任論で片付けたら、子どもの幸せは実現できない」などの意見が広がる。(市川千晴) 内閣府が全国の中学2年生とその保護者5000組に実施した調査では、貧困層で学校の授業が「ほとんどわからない」「わからないことが多い」と答えたのは計24%。暮らしが比較的安定している層の3.3倍に上った。進学希望では、貧困層の33.9%が「中学・高校まで」と回答し、安定層の4.3倍に達した。 「親ガチャ」はオンラインゲームの電子くじ「ガチャ」と保護者を掛け合わせた言葉
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