子供の教育に目を向ける余裕もなかった両親 ーー開成中学、開成高校、東大、テニスとなると、どうしても富裕層のイメージがあるのですが。 市川誠一郎(以下、市川) まぁ、そう思われますよね。実家は町のスーパー的な商店をやっていて、僕が中学生ぐらいまではそこそこうまくいっていたけど、全国チェーンの大きなスーパーの勢力がどんどん拡大してきて。それでうちのスーパーは、どんどん先細りになって他のスーパーに買収されて、父親はそこの社員になったので、ぜんぜんお金持ちではなかったです。 ーー両親は教育熱心だったのですか。 市川 ぜんぜんでしたね。スーパーの経営で忙しかったから、親はほとんど家にいなかったですし、子供の教育に目を向ける余裕もなかったというか。缶チューハイの空き缶とタバコの吸い殻が、キッチンのシンクに山積みになっている風景が当たり前の家だったので。それでも、塾には通わせてもらってました。 順位の競