ブックマーク / webronza.asahi.com (94)

  • 若者と民主主義との「ディスコネクト」 - 吉田徹|論座アーカイブ

    若者と民主主義との「ディスコネクト」 若年層の民主政治軽視、保守化は世界的な傾向。民主主義の後退は防げないのか? 吉田徹 北海道大学教授 一昨年、世界の注目を集めた論文がある。2人の若い政治学者、ロベルト・ステファン・フォアとヤシャ・モンクが、世界価値観調査というよく知られた意識調査のデータをもとに、民主政治や民主的価値を若者が重視していないことを明かしたからだ(邦訳は『世界』2017年2月号に収録)。 例えば、アメリカやヨーロッパ諸国で「民主的に統治された国に生活することが重要」と答えたのは、1950年代生まれではそれぞれ6割弱いたが、1980年代生まれ(ミレニアル世代)をみると、アメリカでは約3割、ファシズムを経験したヨーロッパでも約4割と低い。また、統治の方法として民主主義が「悪い」もしくは「とても悪い」と答えた若年層は、アメリカでは24%、ヨーロッパでも13%にのぼった(2011年

    若者と民主主義との「ディスコネクト」 - 吉田徹|論座アーカイブ
  • 「引き分けマニア」が観たセネガル戦 - 中島鉄郎|論座アーカイブ

    「引き分けマニア」が観たセネガル戦 サッカーの神様は引き分けに宿る。次のポーランド戦は当に「引き分け」でも良いのだ 中島鉄郎 朝日新聞記者 最初から引き分けを目指したらダメなの? ドローで「勝ち点1」を得たサッカーワールドカップの日対セネガル戦。見応えがあったのは2―2に追いついたあとだった。 テレビ解説者の元日本代表DFの都並敏史さんが「勝ちをめざしながら、結果的に負けないで引き分けになったっていうのはいいんですから。結果的な勝ち点1はいい」と語ると、実況アナが「そうですね、守っての勝ち点1じゃないですからね」と応じた。 2度リードされたのを死にものぐるいで追いついたあげくの「勝ち点1」。結果の「勝ち点1」はOKだけど、目的の「勝ち点1」はNGというのがおおかたのサッカーファンの感情だろう。 西野朗監督も3試合目を「敗者復活戦」とまで表現し、2戦目で決勝トーナメント(T)進出を決める

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  • [書評]『誰も書かなかった老人ホーム』 - 上原昌弘|論座アーカイブ

    介護をめぐる諸問題を剔抉する書 先月、両親を老人ホームに入所させた。85歳と86歳、ともにアルツハイマー型認知症で、要介護1の判定が出ていた。彼らの徘徊と異常な言動は昨年(2017年)夏に突然始まった。この半年間は1冊のになりそうなくらい苦闘の連続であったが、その日々ともようやくおさらばできる。両親を残したホームを幾度も振り返りながら、還暦を迎えた兄とふたりで肩を並べて歩く。夕日の中で、ふうっと安堵のため息をもらしたのであった。 しかし腑に落ちないことがいくつかあった。ひとつは訪問介護のケアプランを担ってくれていた、地域のケアマネージャーの反応。彼はわれわれとの別れ際に、「残念ですね」と肩を落としたのである。何が残念なのだろう? 苦しんでいたのはケアマネも同様ではないのか。 それ以上に奇妙だったのは老人ホーム自体である。わたしのイメージしていた老人ホームは、ほぼ病院、というものであった。

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  • 脳神経科学と裁判|論座 - 朝日新聞社の言論サイト

  • 高校数学での統計学必修化は間違っている - 小島寛之|論座アーカイブ

    高校数学での統計学必修化は間違っている まったく異なる原理を持つ「数学」と「統計学」、だから別の科目にするのが最善 小島寛之 帝京大学経済学部教授 2022年度から施行される新指導要領の案が公開され、高校の数学教育に携わる人々に激震が走っている。最も衝撃的なのは、統計学が数学B(高校2年、理文共通)において事実上必修化され、その割をってベクトルが数学C(高校3年、理系のみ)にはね飛ばされる、という変更点だ。数学Bで必修化される統計学とは、「仮説検定」や「区間推定」などの「統計的推定」と呼ばれる方法論である。これは小学校や中学校の統計の授業では学ばない、統計学の核心といって良い部分だ。これまで普通は大学に入ってから学ぶものだった。 これについて、批判点は二つある。第一は、ベクトルが理系のみの学習で良いのか、という点。第二は、統計学を数学で必修化するのは正しいか、という点。筆者の意見では、第

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  • [2]第1章「忘れられた歌姫――青山ミチの存在と闘い(2)」 - 菊地史彦|論座アーカイブ

    青山ミチのライヴァルは弘田三枝子だと言われていた。ミチ人もそのような発言をしたことがある。先に書いたように、ミチが横浜テネシーのコンテストで歌った「子供ぢゃないの」は、弘田のデビュー曲(1961)である。 この時点で弘田の歌唱法は際立っていた。あ行の発音にHにからませたり(恋は「こい」ではなく「こひ」と発声される)、声をつぶした「唸り」を交えたりする独特な歌い方は、おそらく弘田独自の米国ポピュラー・ソングの「解釈」であろう。ヘレン・シャピロは、原曲「Don’t treat me like a child」(1961)を、弘田よりずっと自然な歌唱法で歌っている。 ヘレンと同じ14歳でデビューした弘田は、自力で(または坂九に追随して)このユニークな歌唱法を実験し、確立した。それは、彼女なりのアメリカニズムの表現であり、その後の流行歌にかなり大きな影響を与えた。弘田唱法を受け継ぎ、発展させた

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  • 科学を食い物にするTPP著作権交渉 - 山内正敏|論座アーカイブ

    科学をい物にするTPP著作権交渉 多角交渉・秘密交渉で犠牲になるのは非営利分野だ 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 2年半前に日が参加したTPPが大詰めを迎えている。 私は2年前にTPP著作権交渉に対する懸念を書き(2013-7-15のWEBRONZA記事)、政府へのパブリックコメントにも投書した。それは、米国の主張する保護期間の延長と非親告罪化によって、研究成果の論文検索が難しくなり、科学者の活動を制限するというものだ。 著作権ゆえに、科学論文が「営利目的」に使われ始めている 現に、米国の諸雑誌(学会誌・出版誌の両方)は、科学論文を商売、即ち利益を貪る手段としてみなしており、私の所属する米国地球物理学連合でも、過去の論文は、それがたとい50年前の論文であっても、PDF(大抵数ページ〜十数ページ、日の文庫になおしても50ページ以下)あたり50

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  • 「時代錯誤」の作曲家・佐村河内守――ハンディキャップ・クラシックと「感動の美談」 - 中川右介|論座アーカイブ

    「時代錯誤」の作曲家・佐村河内守――ハンディキャップ・クラシックと「感動の美談」 中川右介 編集者、作家 早くも今年のクラシック音楽界最大の事件となりそうな、佐村河内守事件について2月10日現在までの報道で得た情報をもとにした、私なりのまとめである。 私は「クラシックジャーナル」という専門誌を作っているし、それよりも何よりも、クラシック音楽のファンだ。しかし、自分で演奏するわけでもないし、作曲もしないというか、できない。そういう立場で、以下は書かれる。 「HIROSHIMA」はCDが2011年7月に日コロムビアから発売された。日人作曲家のクラシックの新作がCDになること自体は珍しいことではないが、大規模なオーケストラ曲の新曲は珍しく、コロムビアもかなり宣伝に力を入れていた。しかし、私は買わなかった。 いまになってこんなことを書くと、後出しジャンケンで勝ったと言っているみたいだが、我なが

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  • マラソン代表選考を数値化して透明にせよ - 山内正敏|論座アーカイブ

    マラソン代表選考を数値化して透明にせよ 大会ごとの条件差を数値で表すスキーのやり方を真似すればできる 山内正敏 地球太陽系科学者、スウェーデン国立スペース物理研究所研究員 オリンピックや世界選手権のマラソン代表の選考基準が毎回のように話題になっている。リオ五輪をめぐっては、大阪国際女子マラソンを文句なしのタイムで優勝した福士加代子選手が「確実に選ばれる」ために名古屋ウィメンズマラソンへ出場を表明したことが波紋を呼んだ。結局、名古屋に出場せずに無事に代表に選ばれたが、過去の陸連の対応を見れば福士選手の心配も無理からぬものだった。 そもそも陸連の設定記録(国内レースで男子2時間6分30秒、女子2時間22分30秒)はきわめてハイレベルだ。男子はだれも届いたことがない。女子は延べ6人がこれまで国内4レースで達成したが、2007年11月の東京女子国際マラソン(野口みずき選手)以来、途絶えていた。この

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  • 中国初の受賞:女性研究者トゥーさんの波乱万丈 - 高橋真理子|論座アーカイブ

    中国初の受賞:女性研究者トゥーさんの波乱万丈 文化大革命時代の国家秘密プロジェクトで研究、同僚からは酷評 高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター 今年のノーベル医学生理学賞を受ける中国のトゥー・ユウユウさんは、中国生まれ、中国育ちで初めてのノーベル科学賞受賞者だ。女性としてはアジア初になる。マラリア治療に広く使われているアーテミシニンを発見した功績に対する授賞だが、これは文化大革命時代に毛沢東主席の号令で作られた秘密プロジェクト523(1967年5月23日にスタートしたのでこの名が付けられた)の中で生まれたものだった。研究成果はしばらく秘密にされ、公開されたときは研究チーム名で出て、中国人研究者の間でもアーテミシニンを発見したのが誰なのかは長らく知られていなかった。ニューサイエンティスト誌(2011年11月9日号)によると、発見者を突き止めたのは米国立保健研究所(NIH

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  • ロシアの大学院生が起こした「革命」 - 下條信輔|論座アーカイブ

    ロシアの大学院生が起こした「革命」 研究論文のゲリラ的無料公開とコスト問題 下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授 研究成果のオープン化を巡って、内外に混乱が起きている。最新の科学論文やその根拠となるデータについて「誰がアクセスでき、誰がコストを払うのか」という問題だ。日でも今後、科学と社会の関係を問う大きな問題に発展するかも知れない。 筆者の専門分野である視覚科学には、10万人規模のメーリングリストがあり、就職情報や技術的なQ&A等が毎日交換されている。それがこの数ヶ月は、専門雑誌のあり方を巡る論争であふれ返っている。出版社が専門学術誌を出し、大学や研究機関の図書館単位で購読する――これが既存の形式だったが、(後述するように)問題が噴出してきた。それに代わって無料で購読できるオープンアクセスジャーナルなどが台頭する中、研究者コミュニティーとしてどう対処する

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  • なぜ?! 岡山大学の教授2人解雇 - 高橋真理子|論座アーカイブ

    なぜ?! 岡山大学の教授2人解雇 論文不正の告発から解雇処分までの4年間に起きたこと 高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター 岡山大学が薬学部の教授2人を昨年末に解雇した。2人は「論文不正の告発が解雇につながった」と主張、年明けに処分無効と慰謝料を求めて岡山地裁に提訴した。ツイッターなどでは「不正を告発したらクビ?」と驚きと憤りが広がっている。しかし、取材をしてみると、それほど単純な話ではない。始まりは、薬学部教授が博士論文の不正に気づいたことだった。ところが、その後に次々と異例の事態が起きた。ついには、学長や学部長ら35人で構成される教育研究評議会が2人に対して「岡山大学教授に必要な適格性を欠く」という、これまた異例の判断をして解雇を決定した。そこまでの経過を追う。 解雇されたのは、森山芳則・元薬学部長と榎秀一・元副学部長。森山氏は岡山大学薬学部を卒業し、帝京大や広

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  • 「情動の力学」から見る安倍首相の五輪誘致演説 - 下條信輔|論座アーカイブ

    「情動の力学」から見る安倍首相の五輪誘致演説 下條信輔 認知神経科学者、カリフォルニア工科大学生物・生物工学部教授 世論は時として「情動の力学」で動く。情動とは、感情をトリガーする身体の無意識の過程のことだ。情動の力学は、非論理的に見えることと、記憶がほとんどない(一貫性がない)ことに特徴がある。日の世論は情動の力学に流されやすい。直近の汚染水問題でも、それが垣間見える。 安倍首相は五輪招致を争う国際舞台で、「完全にコントロールできている」「汚染は0.3平方km以内にブロックされている」「過去も現在も未来も絶対に安全」などと太鼓判を押した。 これらは控えめに言っても、ことばのアヤを駆使したごまかしだ。招致に成功した今、贈収賄に問われた政治家の「みそぎ選挙」と似たことにならないかと心配だ。 当選すれば過去の汚点はなかったことにするというのと同じ発想で、汚染水の問題もこれでオーケーとなってし

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  • 傲慢症候群が「日本半導体敗戦」の真の理由だ - 湯之上隆|論座アーカイブ

    作家の百田尚樹氏が「沖縄2紙をつぶさなあかん」などとトンデモ発言をしたらしい。それで、欄の香山リカ氏『”百田発言”と「ヒューブリス(傲慢)症候群」』を何気なく読んだのだが、その記事で「傲慢症候群」なるものの存在を知り、思わず「おおっ!」と叫んで膝を打った。 そこで紹介されていた3月15日の朝日新聞DIGITALによれば、英国の神経科医で政治家のデービッド・オーエン元外相・厚生相(76)が名付け親で、トップが助言に耳を傾けず、冷静な判断ができなくなって経営につまずくようなことを指すとあった。自らが代表となって「傲慢学会」なる研究会を立ち上げていると知り、瞠目せざるを得なかった。 なぜ私が膝を打ち、瞠目したのか。順を追って説明したい。 「日半導体敗戦」の講演依頼 実はこの1週間前に、ある弁護士事務所から「日半導体および電機産業」に関するセミナーの講演依頼を受けた。事前打ち合わせをすると、

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  • 「トランポノミクス」でアメリカは衰退する - 吉松崇|論座アーカイブ

    「トランポノミクス」でアメリカは衰退する その結果、世界中が「返り血」を浴びることになるだろう 吉松崇 経済金融アナリスト 「20XX年、この国の工場から労働者が姿を消した。生産ラインの機械を動かしているのはAI(人工知能)が装填(そうてん)されたロボットたちである」 「この事態に業を煮やした政府は、すべての工場が少なくとも1人の人間を雇用しなければならない、という法律を施行した。だが、人間を雇うことに不安を覚えた企業は、工場ごとに人間1人と犬1匹を雇うことにした。人間の仕事は犬にエサを与えること、犬の仕事は人間が機械に近づかないように見張ることだ」 これはもちろん冗談だが、未来予想図でもある。 米大統領選のトランプ氏勝利の最大の要因は、「ラスト・ベルト」と呼ばれる五大湖周辺の工業地帯を擁する諸州で勝利を収めたことだ。トランプ氏は、工場の海外移転、とりわけNAFTA(北米自由貿易協定)がも

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    lummydays
    lummydays 2017/12/18
    「製造業の雇用減少の最大の要因は、工場の海外移転ではなく、(中略)労働生産性の上昇である」そして日本は労働生産性が低い?おかげで製造業の雇用が確保されている???
  • トランプ氏は大統領令を乱発して猛進し続ける - 尾形聡彦|論座アーカイブ

    大手自動車メーカー首脳らと会談するトランプ大統領(中央)。左はゼネラル・モーターズ(GM)のメアリー・バーラ最高経営責任者(CEO)=ロイター 1月20日、ドナルド・トランプ氏が第45代米国大統領に就任した。就任前に約束した通り、23日には、環太平洋経済連携協定(TPP)から「永久に離脱する」大統領令を出した。25日には、メキシコとの国境で壁の建設への着手を命じた。 トランプ氏が11月初旬に当選した当時は、「大統領になれば、現実的になる」という願望にも似た期待が日政府の高官の間には強かった。しかし、いまはっきりしてきたのは、トランプ氏は、選挙戦中からの主張や姿勢をまったく変えておらず、そうした彼の考えが、米国政府という巨大な官僚機構をバックに、具体的な政策になり始めたということだ。 選挙戦中、トランプ氏の「壁建設」や「イスラム教徒の一時入国禁止」といった政策は荒唐無稽だと思われていた。し

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  • [3]マッカーサー三原則と憲法9条 - 木村草太|論座アーカイブ

    [3]マッカーサー三原則と憲法9条 長尾龍一VS木村草太 「憲法と、国家と、人間と」 木村草太 首都大学東京教授(憲法学) この原稿は長尾龍一・東大名誉教授と木村草太・首都大学東京教授が6月14日、ジュンク堂池袋店で行ったトークショー「憲法と、国家と、人間と」をもとに、両氏が加筆修正したものです。 長尾龍一 1938年生まれ。東京大学法学部卒。東京大学大学院総合文化研究科教授、日大学法学部教授を経て東京大学名誉教授。主な著書に『憲法問題入門』(ちくま新書)、『リヴァイアサンー近代国家の思想と歴史』『法哲学入門』(いずれも講談社学術文庫)、『ケルゼン研究』(信山社出版)、編著に『カール・シュミット著作集(1・2)』(慈学社)などがある。 木村草太 1980年生まれ。東京大学法学部卒。同助手を経て首都大学東京教授(憲法学)。主な著書に『平等なき平等条項論』(東京大学出版会)、『憲法の急所』

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  • [2] 繰り返し出てくる憲法の「選び直し論」 - 杉田敦|論座アーカイブ

    注)この立憲デモクラシー講座の原稿は、1月29日に早稲田大学で行われたものをベースに、講演者が加筆修正したものです。 立憲デモクラシーの会ホームページhttp://constitutionaldemocracyjapan.tumblr.com/ 憲法とは押しつけられるもの 自民党はご存じの通り、結党以来、自主憲法制定を党是としており、そして彼らが今日までずっと主張してきている最大の論点が、いわゆる「押しつけ論」です。 これについてどう考えるか。この憲法の起草過程において、いろんな事情があって、結局のところ進駐軍が中心となって案をつくったことは事実です。日人によるいろいろな憲法論議等が影響を及ぼしているという話はもちろんありますが、主として進駐軍がつくった、それは事実であって、つくり方が100パーセント理想的であったかと言えば、そうではないかもしれない。 しかしながら、この憲法がその後、極

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  • [1]巨大企業と監査法人の存亡をかけた攻防 - 堀篭俊材|論座アーカイブ

    東芝の臨時株主総会に出席する人たち。入り口には注意書きの看板が掲げられていた=10月24日、千葉市美浜区 季節はずれの株主総会は、その展開も異例づくしだった。「監査法人の話を直接聞きたい。株主総会への出席を求める」。男性の株主から突然の動議が出されると、会場からは拍手が起きた。東芝の臨時株主総会が10月24日、千葉市の幕張メッセであった。 株主総会に監査法人が出席することは、ふつうはありえない。だが、東芝の決算発表は、監査法人との対立が長くつづいた末、遅れに遅れていた。秋の臨時株主総会もそのためだ。いったい何があったのか説明してほしい――。長く待たされた株主たちからしてみれば、緊急の動議は当然ともいえるだろう。実はこの日、会場の一室には、東芝の監査法人であるPwCあらたの会計士たちが控えていた。いつでも説明に出ていく準備はできていた。 しかし、PwCあらたの会計士たちは、結局、姿を見せなか

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  • 週刊文春「新潮スクープ泥棒」事件の面白さ - 山口一臣|論座アーカイブ

    週刊文春「新潮スクープ泥棒」事件の面白さ 中吊り広告を「盗み見」する執念にも、それを暴き出したねばりにも脱帽だが…… 山口一臣 「THE POWER NEWS」主宰 5月18日発売の「週刊新潮」(5月25日号)が右トップでライバル誌の「週刊文春」を〈スクープ泥棒〉〈産業スパイ〉などと告発する記事を掲載した。グラビア連動の13ページにもわたる異例の大特集だ。前日付の新聞各紙が〈新潮スクープ 文春が拝借〉(毎日新聞)、〈週刊文春、週刊文春、ライバル誌「盗み見」の疑い〉(産経新聞)といった見出しで報じたこともあって、大きな話題になっている。 詳細は週刊新潮の記事を読んでいただきたいが、要するに週刊文春が発売前の週刊新潮の中吊り広告を入手して内容を知り、週刊新潮の特ダネを文春発のネットで速報したり、追っかけ取材をしたりしていたというものだ。 ライバル誌の生々しい情報戦 木曜日発売の両誌は火曜日の夜

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