神経再生治療を受けた70代女性アルツハイマー病患者の、萎縮した海馬の再生と認知機能の改善が認められた。特定のサイトカインを組み合わせて投与した結果だが、同時に、腸内細菌叢とアルツハイマー病の相関も示唆された。アルツハイマー病治療に光明をもたらす大発見だ。 これは、腸内細菌叢を柱とするヘルステック・バイオベンチャー、シンバイオシス・ソリューションズとお茶の水健康長寿クリニックとの共同研究の一環。お茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二博士は、特定の細胞に働きかけるタンパク質「サイトカイン」を何種類か組み合わせて投与すると、アルツハイマー病と前頭側頭型認知症で萎縮した海馬の再生が促されることを世界で初めて確認した。とくに発症リスクの高い遺伝子を持つ患者であったにも関わらず、こうした結果が得られたことは驚きだ。 さらに、この患者は軽度認知障害患者特有の腸内細菌叢の異常が見られたが、軽度であったために