「世界は美しいものなんだな」と感じてくれる映画を作りたい――宮崎駿監督、映画哲学を語る(後編):“ポニョ”を作りながら考えていたこと(4/4 ページ) 「生きるのは大変なんだ」と思いながら映画館から帰った ――影響を受けた本や映画で忘れられないものはありますか? 宮崎 忘れられない映画はいっぱいありますね。私が映画を見た時代はアニメーションよりも、大人が見るような映画をずいぶん見ました。日本映画の全盛時代に12歳ごろに出会いました。ですから映画館から帰る時に意気揚々と帰ってくるのではなくて、「生きるのは大変なんだ」と思いながら帰ってきたのが映画の思い出です。 もちろん西部劇も時代劇も、ターザン映画もずいぶん見たのです。でも時間が経つに従ってそういうのは忘れていってしまって、(自分の心の中に)残っているのは「生きるのは大変だなあ」という映画なのです。 私はチャンバラ映画のようにワッと切り捨て
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