【ソウル=加藤達也】韓国南西部全羅南道・珍島(チンド)沖で16日朝に発生した旅客船「セウォル号」沈没事故。死者5人、安否不明者約290人という韓国海難事故史上最悪規模となりそうだが、浸水から沈没までの経緯には不明な点が多い。 韓国メディアによると、救助された乗客は「ドーン」という音を聞いており、何らかの衝突があったとみられている。 しかし、韓国の国立海洋調査院によると、沈没現場周辺の水深は27~50メートル。目立った暗礁はない。他の船舶との衝突も疑われるが、16日午前、現場周辺は視界も良好で波高は約1メートルと、航行の安全を脅かす自然環境でもなかったという。 韓国メディアが韓国海洋警察などの情報として当初伝えたところではセウォル号は午前8時58分ごろ、遭難信号を発信したとされる。海洋警察が遭難信号を受信する約1時間前、地元の漁民が沈没海域に止まっていたセウォル号を目撃している。 漁民は午前