木村:前回の最後で、「手を動かす」という言葉が出た。もう少し詳しく聞きたい。 長谷川:「手を動かす」というのはやはりプログラムを書いたり、システムを設計したりすることだと思う。システムエンジニア(SE)、つまり“技術者”とはそういうことじゃないか。 木村:現実には大手ユーザー企業のIT部員というのは、ほとんどプログラムを書かない。プログラムを書かなくても、IT部員が要件定義をしたり、プロジェクトマネジメントをしたりするのなら、それでも構わない。プログラムを書けなくてもプロジェクトマネジャーとして優秀な人を数多く見てきた。だが実際には、それも含めてITベンダーに“丸投げ”してしまうケースが増えている。 長谷川:前回、「IT部門はSIerとの相互作用でダメになっていく」という話をした。突き詰めていくと、ユーザー企業がITベンダーに「請負契約」で“丸投げ”してしまうのが悪いと思う。IT部門がプロ