(本記事は、小川裕夫氏の著書『ライバル駅格差 「鉄道史」から読み解く主要駅の実力』イースト・プレス、2018年7月2日刊の中から一部を抜粋・編集しています) 日本一の繁華街といっても過言ではない銀座。 銀座のブランド力は抜群で、あの日本マクドナルドでさえ1号店は銀座三越に出店して銀座の威光にすがりつくほどだった。 銀座には高級店が立ち並び、老舗も多く軒を連ねる。新興の店は銀座に店を出してようやく一流店として認められる。 近年では海外の高級ブランドも店を構えるようになったが、日本一の繁華街・銀座の歴史は比較的浅い。 徳川家康が江戸に入府した1590年時点で、銀座一帯はまだ海のなかだった。 家康が積極的に江戸の街づくりを進めるようになるのは1603年。 手始めに大規模な海岸線の埋め立て工事が着手され、そのための土砂は駿河台、御茶ノ水一帯の神田山を削ることで捻出した。 このときの埋め立て事業は銀