ゲノムとは、個々の生物が持つ遺伝情報の総体=「自分の設計図」。ヒトの場合、ここには30億の暗号によって、さまざまな病気のかかりやすさ、性格、知能など多くの情報が埋め込まれている。 近年ではゲノムの解読が加速度的に進んでおり、個人個人が自分の全ゲノム情報にアクセスできる「パーソナルゲノム時代」が目の前に迫っているという。ゲノム情報にはどんなメリットがあり、どんなリスクがあるのか? 最先端の研究者が一般向けに書き下ろした本書は、まさに“今読んでおくべき一冊”。著者の宮川剛さんに聞く。 ――みんなが自分のゲノム情報を携帯などに入れて持ち歩く。そんなSFみたいな時代がホントに来るんですか? 「5年、10年先には来るかもしれない。今も約2万円で、100万種類のスニップ(個人ごとに違う配列)を解読する個人向けサービスがあります」 ――たった2万円!! 「ほんの10年ほど前は、ひとりの全ゲノム