警視庁の外郭団体「自警会」が2005年に発注した東京警察病院(東京都中野区、415床)の建設工事の入札に絡み、元警察庁長官と元国家公安委員長のそれぞれの秘書が、落札した西松建設(本社・東京都港区)から計2千万円の裏金を受け取っていた疑いのあることが分かった。秘書2人が西松側の依頼で自警会に口利きをした謝礼だったという。口利きを受けた自警会事務局長(当時)も、数十万円分のビール券を受領した疑いがある。 この疑惑は、09年に東京地検が捜査したが、秘書1人が自殺し、未解明に終わった。その後、朝日新聞が取材を続けたところ、西松建設元首脳らが現金供与の実態を具体的に証言し、警察に絡む「利権」の構図が明らかになった。 現金を受け取った疑いがあるのは、元警察庁長官の故・後藤田正晴氏=自民=の秘書と、警察庁を管理する国家公安委員会の元委員長、村井仁氏=同=の秘書。自警会事務局長は、警視庁ノンキャリアの