関東のある都市に昨年12月、労働者派遣や土木・建設を目的とする会社ができた。資本金500万円の株式会社だ。 「私がつくった会社です」。西日本にある指定暴力団傘下の組長が、取材に答えた。「やくざの色は完全に消し去らなければならない」。登記簿の役員欄には組長本人やその親族、配下の組員の名はない。社長には暴力団とは無縁の男性を据えた。自らは会社に一切立ち寄らず、作業員の派遣現場にも行かない。 組長はほかにも複数、実質支配する会社を持つ。これらの会社から、除染や家屋解体などの復興事業を請け負う業者に作業員を派遣している。「派遣先から10万円前後受け取るほか、作業員に支払われる日当の一部をピンハネして、月に数百万円を得ている」 警察庁は震災発生の20日後、…