ブックマーク / econ101.jp (18)

  • バインダー&ハジャルマーソン「さっきも有罪にしたから次も有罪でいいや:陪審員の意思決定の経路依存性」

    Anna Bindler, Randi Hjalmarsson “Path dependency in jury decision making” VOX.EU, September 2, 2018 裁判官や陪審員団の意思決定が,メディアへの露出や陪審員団の人口的要素といった数多くの外部要因によって影響を受けていることが研究によって次々と示されている。稿では,18世紀におけるロンドンのオールドベイリー中央刑事裁判所の陪審評決を用い,直前の裁判の評決と特徴という新たな要因について検討する。直前が有罪評決だった場合,その次が有罪評決となる確率を6.7%から14.7%引き上げることが見出された。これは歴史的な文脈ではあるものの,この発見は連続的な決定に関わる様々な状況に重要な意味を持つ。 刑事裁判所の裁判官と陪審員団は,被告が有罪か無罪であるかの決定に直面する。その決定はその被告の裁判における

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    machida77 2018/09/05
  • ジェネリックの艱難:価格競争、非対称情報、そして販売戦略

    “The unexpected consequences of asymmetric competition: An application to Big Pharma“ Micael Castanheira, Carmine Ornaghi, Georges Siotis 01 March 2017 市場は競争的であればあるほどよい、経済学者は伝統的にそう信じてきた。しかし私たちの今回の研究では、経済学者たちの信条に反し、市場における競争と配分効率の間にはそれほどまでに強い関係がないことが検証された。先発薬の特許が切れるとジェネリック薬(後発薬)の参入が可能となり、市場は競争へと移行する。ここで製薬会社が用いる戦略には価格競争以外のものがあり、それゆえ競争の導入が配分効率を上げる結果とはならない。それはまた、社会福利への問題提起となる。 著者註:この記事はMaria-Angeles de

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    machida77 2018/06/26
  • タイラー・コーエン「乱射事件の増加を説明する最良の説は?」

    (Tyler Cowen, “What is the best theory for the rise in mass shootings?,” Marginal Revolution, December 11, 2015.) まず留意しておこう.発砲事件は全体として減少してる.それも,大幅に減っている.そのうえで,Michael Rosenwald がこう述べている: 1975年だと,誰かが通りを歩き回りながら人々に発砲するなどという考えはあまりにも意想外すぎて,対応した警官の1人は事態そのものを信じなかったし,対処する訓練も受けていなかった.「無差別発砲者」(active shooter) という用語は,まだ文化的語彙に登場していなかった.いまや,乱射事件はありふれたことになってしまって,襲撃犯どうしでインスピレーションを与えあっているほどだ.また,犠牲者の選別度合いも小さくなってきて

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    machida77 2015/12/12
  • ポール・クルーグマン「ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる」

    Paul Krugman, “Vladimir Putin’s Unraveling Russia,” Krugman & Co., December 26, 2014. [“Putin on the Fritz,” December 15, 2014; “Petrothoughts,” December 14, 2014] ウラジミール・プーチンのロシアはガタガタになってる by ポール・クルーグマン TOM/The New York Times Syndicate いかに迅速かつ疑問の余地なしにロシア経済の歯車が狂ってきたか,目を見張るものがあるね.石油価格急落が大きな原動力になってるのは一目瞭然だ.だけど,ルーブルの下落はブレント石油の下落より進んでいる――今年はじめから石油は 40 パーセント下落しているのに対し,ルーブルは半値になってる. なにが起こってるんだろう? えっとね,ウ

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    machida77 2014/12/28
  • ポール・クルーグマン「格差と不況からの回復力のつながり」

    Paul Krugman, “The Inequality Connection,” Krugman & Co., November 28, 2014. [“Inequality and Crises: Scandinavian Skepticism,” November 21, 2014; “The Wisdom of Peter Schiff,” November 22, 2014] 格差と不況からの回復力のつながり by ポール・クルーグマン Jonathan Nackstrand/The New York Times Syndicate 12月はじめに,コロンビア大学で開かれる格差とその帰結に関するカンファレンスでぼくも話す予定になってる.そこでぜひ取り上げなくちゃいけない問題のひとつは,「格差の拡大によって国々は金融危機に対して弱くなるのか,そうした危機からの回復がいっそう困難に

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    machida77 2014/12/01
  • ポール・クルーグマン「苦しむ日本がとるべき道筋」

    Paul Krugman “The Right Course for a Troubled Japan,” Krugman & Co., November 26, 2014. [“Structural Deformity,” The Conscience of a Liberal, November 20, 2014.] 苦しむ日がとるべき道筋 by ポール・クルーグマン Stephen Crowley/The New York Times Syndicate 日の安倍晋三首相が消費税増税の延期を模索してるのは,正しい.延期はいい経済政策だし,ぼくにとってはかなり新鮮な経験でもある――国のリーダーと会って,正しい政策の主張をして,その相手がまさにそのとおりにやってるんだもの.(もちろん,同じ主張をしてた人はぼく以外にたくさんいる.) ただ,懐疑の声もたくさんある.全面的に正当な疑いだ:

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    machida77 2014/11/29
  • ポール・クルーグマン「中流社会に関する思い違い」

    Paul Krugman, “Misperceptions About Middle-Class Society,” Krugman & Co., August 29, 2014. [“Inequality Delusions,” August 20, 2014; “The Euro Catastrophe,” August 29, 2014] 中流社会に関する思い違い by ポール・クルーグマン Doug Mills/The New York Times Syndicate ドイツ経済研究所 (IW) が,先進諸国で格差がどう受け止められているか比較している――この研究で大事なお持ち帰りメッセージは,「ヨーロッパ人と比べてアメリカ人は自分たちが中流社会に暮らしていると思う傾向が強い」ってことだ.実際には,ヨーロッパと比べて,所得の分布はずっと不平等なのにも関わらずね. たとえば,アメリカ

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    machida77 2014/09/06
  • ポール・クルーグマン「相変わらず失敗の兆しなんか見えない保険医療改革」

    Paul Krugman, “Still Failing to Fail,” Krugman & Co., August 8, 2014. [“Still Failing To Fail,” The Conscience of a Liberal, August 5, 2014.] 相変わらず失敗の兆しなんか見えない保険医療改革 by ポール・クルーグマン 『ニューリパブリック』のジョナサン・コーンが,先日,アメリカにおける健康保険プレミアムに関するこれまでの証拠に目を向けている.それでわかったのは,事態はそうひどすぎるってわけじゃないってことだ: 《消費者の大多数にとって,保険適用はほぼいつでも高くつくものだが,これがいっそう高くつくようになるだろう」とコーン氏は8月4日に書いている.保険プレミアムの変化は州やプランしだいで大幅に異なるだろう.ただ,全体を見ると,2015年のプレミアム増

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    machida77 2014/08/11
  • ポール・クルーグマン「イラクの妖怪」

    Paul Krugman, “The Specter of Iraq,” Krugman & Co., July 11, 2014. [“The Iraq stain,” The Conscience of a Liberal, June 30, 2014.] イラクの妖怪 by ポール・クルーグマン TUNIN/The New York Times Syndicate 近頃はぼくもイラクがらみの話をめっきり書かなくなってるけど,先日『ニューヨークタイムズ』にジェイムズ・リズン記者が書いたレポートを読むと,あのおぞましさがよみがえってくる.ぼくが言わんとしてるのは,たんに,アメリカ人がウソで戦争に引きずり込まれたってことだけじゃない.ぼくらのメディアと政策エリートたちの大半が,先を争ってイラク討つべしの合唱に加わった.そして,この企ては多くの人命とお金を無駄に費やすことになった. そればか

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    machida77 2014/07/12
    イラクのブラックウォーター事件
  • ポール・クルーグマン「にっちもさっちもいかないアメリカの道路」

    Paul Krugman, “An American Road to Nowhere,” Krugman & Co., May 2, 2014. [“The Folly of Prudence,” April 29, 2014 / “A Monetary Puzzle,” April 28, 2014. ] にっちもさっちもいかないアメリカの道路 by ポール・クルーグマン Jim Wilson/The New York Times Syndicate アメリカの道路は,多くがかなりひどい状態になってる――先週,家族の用事でニュージャージーからマサチューセッツまで車で往復してみた経験で,これは証言できる.この事実を,その下地にあるマクロ経済状況と組み合わせてみると(マクロ経済の話はこのあとすぐ),道路修復にかなりの金額を支出すべきって主張は当たり前に思える. さて,オバマ大統領は先日,実際

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    machida77 2014/05/04
    アメリカの道路の老朽化とその整備のための金の出処
  • ポール・クルーグマン「アメリカ人が憤ってるのは妬みからじゃない,怒ってるんだ」

    Paul Krugman, “Anger, Not Envy, Is Raising Americans’ Ire,” Krugman & Co., March 14, 2014. [“Envy Versus Anger,” The Conscience of a Liberal, March 3, 2014] アメリカ人が憤ってるのは妬みからじゃない,怒ってるんだ by ポール・クルーグマン Ozier Muhammad/The New York Times Syndicate いきなり――あるいは,いまさら突然であるかのように――格差が世間の意識にのぼっている.1パーセントの連中も,その忠実なる擁護者連中も,どう対処すればいいかわかってないご様子だ. そうした反応のなかには,どうかしてるものもある――「水晶の夜だ!」だの「我々を殺しそうな勢いだ」だの.そのどうかしてるっぷりは,かなり広

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    machida77 2014/03/15
  • ポール・クルーグマン「人々はほんとに分相応なものを受け取っているのか?」

    Paul Krugman, “Do People Really Get What They Deserve?,” Krugman & Co., February 21, 2014. [“Vox Anti-Populi“; このブログ版の訳文はすでに掲載済みです)] 人々はほんとに分相応なものを受け取っているのか? by ポール・クルーグマン PETT/The New York Times Syndicate ぼくの学生だったリチャード・ボールドウィンが編集してる VoxEU は,いま現在の政策をとりあげる経済オンライン・ジャーナルだ.そこに,格差に関するすぐれた記事が2つ掲載されている. 1つ目は,英ウォーウィック大学の経済学教授アンドリュー・オズワルドとメルボルン応用経済学・社会研究所のフェローであるナッターヴート・ポータヴィーによるもので,相続や自らの努力によってではなくて,宝くじに当

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    machida77 2014/02/23
  • ポール・クルーグマン「中流階級を再定義する」

    Paul Krugman, “Redefining The Middle Class,” Krugman & Co., February 7, 2014. [“The Realities of Class Begin To Sink In,” January 27, 2014] 中流階級を再定義する by ポール・クルーグマン Victor J. Blue/The New York Times Syndicate アメリカにはおかしなことがあれこれある.その1つは,長らく見られる傾向として,自分のことを中流階級だと考えてる人たちがとてつもなく広範囲にまたがっている点だ――そして,彼らは自分を欺いている.国際的な基準にてらせば貧困者ってことになるはずの低賃金労働者たちは,中央値の半分を下回る所得でありながらも,自分たちは中の下にあたる階層だと考えている.その一方で,中央値の4倍や5倍の所得を

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    machida77 2014/02/09
  • ポール・クルーグマン「ビットコインが提起する現実世界の問題」

    Paul Krugman, “A Virtual Currency Raises Real-World Questions,” Krugman & Co., January 9, 2014. ビットコインが提起する現実世界の問題 by ポール・クルーグマン Nancy Palmieri/The New York Times Syndicate 実証経済学(実際の物事の仕組み)と規範経済学(物事のあるべき姿)の区別は,いつだって大事で,いつだって難しい. 実際,これまでぼくが書いてきたマクロ経済のいろんな問題では,すごく大勢の経済学者たちが,その区別をしっかりできないでいる.彼らは政治的な理由からでしゃばりな政府を嫌っていて,そこから,財政刺激がうまくいかない理由だとか,金融刺激が破滅的な結果をもたらすだろうといったことについて,ほんとにひどい論証を展開するにいたっている. でも,ここではマ

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    machida77 2014/01/20
  • クルーグマン「オバマケアが改善すればするほど怒り狂う共和党」

    Paul Krugman, “As Obamacare Improves, Republicans Just Become More Enraged,” Krugman & Co., December 4, 2013. オバマケアが改善すればするほど怒り狂う共和党 by ポール・クルーグマン Doug Mills/The New York Times Syndicate HealthCare.gov はずいぶんマシになってきた.Amazon.com ほど見事に動いてはいない――でも,思い出そう,政府は主として人々にお金を与えようとしている――保険に助成金をだそうとしている――んであって,なにかを売りつけようとしてるわけじゃない.だから,すぐさま商業的なサイトほど見事な稼働をみせなくてもかまわない. ただ,舞台裏ではいまだに深刻な問題がある――保険会社への情報伝送の問題だ.ただ,同サイトもす

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    machida77 2014/01/01
  • クルーグマン 金のサイバー足枷

    Paul Krugman, “Golden Cyberfetters“, The New York Times, September 7, 2011 ここ数ヶ月、ビットコインというある種の私的なサイバー貨幣を創造する試みついて、たくさんの人が私に感想を求めてきた。そして今度は、ブルームバーグ・ニュースのアレクサンダー・コワルスキが、ジェームズ・スロウィッキーのビットコインに関する論文について知らせてくれた。非常に面白い論文だ。 ビットコインに対する私の最初の反応は、「それって何が新しいの?」って感じだった。電子的に支払を行う方法なんていくらでもあるし、実際、従来の貨幣制度のかなりの部分はすでに仮想化していて、ドル紙幣のような緑の紙切れじゃなくて、デジタルな会計処理に頼ってる。でも、違いがあることもわかった。ビットコインは、仮想通貨の価値を緑の紙切れとの換算で固定する代わりに、サイバー通貨の

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    machida77 2013/12/14
    クルーグマン、ビットコインについて語る
  • クルーグマン「フランスの格下げはイデオロギーによるもの」

    Paul Krugman, “France’s Ideological Downgrade,” Krugman & Co., November 15, 2013. フランスの格下げはイデオロギーによるもの by ポール・クルーグマン Richard Perry/The New York Times Syndicate さて,スタンダード&プアーズがフランスの信用格付けを格下げしたわけだけど,ここから何がわかるだろう? 答え:「フランスについては大してわかんない」 格付け機関は,国の支払い能力について特別な情報なんてもちあわせちゃいない――とくに,フランスみたいな大国についてはなおさらだ.この点は,いくら強調してもしたりないくらいだ.S&P はフランスの財務状況について内部知識をもちあわせてたりするのかな? いいや.国際通貨基金なんかよりもすぐれたマクロ経済モデルをもってたりする? いやいや

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    machida77 2013/11/18
    格付け機関とイデオロギー。
  • クルーグマン「アメリカのイカレ具合と階級闘争」/「政府機能停止:混沌の経済と政治」

    Paul Krugman, “American Craziness and Class Warfare,” October 3, 2013. アメリカのイカレ具合と階級闘争(2013年10月3日) by ポール・クルーグマン Sakurai/Westdeutsche Allgemeine Zeitung / The New York Times Syndicate 経済学者の Mark Thoma がこの前,『フィスカル・タイムズ』に見事なコラムを書いてる.そのなかで,債務上限をめぐる抗争を,もっと大きな問題につなげてる.その問題とは,極端な格差だ.ここでは,現実は Thoma 氏が示唆しているよりも酷いんじゃないかと示唆したい. 彼はこういう言い方をしてる:「格差が広がり,各人のさらされる経済的リスクに貧富のちがいが生じることで,ある集団は自分たちのことを社会の「創出者」だと考え,それ以

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    machida77 2013/10/07
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