「融けるデザイン」で書かれている自己帰属感とは、ユーザーの動作の結果がほぼリアルタイムに近い形でユーザー自身にフィードバックされ、現実世界と画面の向こう側の世界との境界がなくなり、その結果として画面の映像が身体の一部のように感じられるあの感覚のことだと認識しているが、スマホのようなタッチUIでは特にこの感覚をデザインすることがユーザー体験の品質を決定するものになると考えている。 例えばiOSのUIScrollViewは自己帰属感を得られるUIの代表だ。60FPSで描画されるスクロールアニメーション、端に到達したらバウンスバックしたり、指が離れたらその瞬間を初速として滑らかに減速してゆくインタラクション、そしてパフォーマンスを上げるためのセルの再利用機構など、これらすべてがスクロール時の自己帰属感を得るために不可欠な要素となっている。驚くことにiPhoneの第一世代(OS X iPhone)