見てて飽きが来ない形体を目的としたときに、どのような造形が望ましいでしょうか。この問いに一般的な答えを導くことはほぼ不可能ですが、ある程度の仮説を持って制作を行う必要があります。また歴史のあるビジュアル・アートやデザインの中でも多くの議論がなされてきました。本記事では、いかに視覚的に好ましい(ずっと見てても飽きさせない)図像を体系的に得るかについて、一つの例を示したいと思います。 一般的に、造形を構成しようとしたときに、シンプルな調和を追求しすぎても、乱数を用いた不規則さのみに頼っても、どちらにしても凡庸な図像構成になってしまいます。逆説的に、ある程度の調和と、ある程度の無作為性が合わさったときに、視覚的におもしろい図像が生まれ得るのです。調和からの逸脱、複雑性の中に見出さられる規則性、相反する秩序と混沌が同居する瞬間、お互いがその特質を補完しあうことで好ましい結果を得られるということは、