【コラム】低インフレとの闘い、日銀は戦略に野心を-コチャラコタ Narayana Kocherlakota 日本銀行は、今や先進国の大半が苦しむ病と長きにわたり闘ってきた。その病気とは重度の低インフレ症で、経済の低成長とともに進行する傾向がある。この闘いで成功を収めたいと思うなら、インフレ目標の行き過ぎを狙わねばならないかもしれない。 日銀は2013年に2%のインフレ目標を設定した。それ以来、一定の進歩はあった。前年同月比の消費者物価指数(CPI)上昇率は当時のマイナス0.3%から、過去3年間の平均でプラス1.3%まで回復した。同期間中の米国のCPI平均上昇率がプラス0.8%でしかないことを考慮すれば、日銀は米連邦公開市場委員会(FOMC)よりも成果を残している。 だが日銀はいまだに目標を達成できていない。13年に2%の目標を「2年程度で」実現すると打ち上げたが、現時点ですら達成への道のり