『週刊ダイヤモンド』4月15日号の第一特集は「思わず誰かに話したくなる 速習!日本経済」です。今、働き方改革の進展、シムズ理論の台頭、AIの劇的進化──と、日本経済は大転換のさなかにあります。特集では日本経済のさまざまな疑問に対し、例え話を盛り込みながら解説します。思わず話したくなる速習講座のスタートです。 財政拡大を正当化するシムズ理論が話題だ。この理屈が分かれば上司にも一目置かれるはず。しかし、よくよく聞くと、政府には都合がいいが、庶民は犠牲を強いられる理論のようだ。 たとえば、借金をしたいだけして、楽に返すことができる。そんなうまい話があれば誰でも飛び付くだろう。 通常は、そんな話は存在しないのだが、今の政府の中にはうまい話が存在すると思っている人もいるようだ。今話題のシムズ理論である。増税せずにインフレで財政赤字を小さくし、債務残高を減らせるという夢のような理論だ。 元となる「物価
子宮頸がんワクチンの副作用を調べた厚生労働省研究班(代表・祖父江友孝大阪大教授)は10日、昨年末に公表した調査データに対する追加解析結果を発表した。新たな解析を加えても、ワクチン接種と発症の因果関係は判断できず「接種しなくても副作用と同様の症状を示す人が一定数いる」という結論は変わらないとしている。 研究班は、副作用を発症した約100人について、接種から発症までの期間を詳しく解析。1カ月以内に発症した人は31%だったが、1年を超えて発症した人も37%いた。年齢や発症までの期間との関係などには大きな特徴は見られなかった。
日本は世界第三位の経済大国であるにもかかわらず、親世代である若者の貧困化が進んだ結果、子供の6人に1人は貧困状態にあり、かつその貧困の連鎖が止められない、という危機的な状況にあることは広く知られるようになってきた。 その中でも特に厳しい状況にあるのが、近年増加傾向にあるひとり親世帯である。厚生労働省の全国母子世帯等調査の結果によると、ここ10年ほど(平成10年度と平成23年度)で、母子世帯数は約28万世帯、父子世帯数は約6万世帯増加し、ひとり親世帯の総数は平成23年時点で約146万世帯(ひとり親世帯の約85%が母子世帯)となっている。この結果、下の図1が示すように、日本の子供の約8人に1人はひとり親世帯で生活しており、その値はOECD諸国でも平均的なものとなっている。 このひとり親世帯の増加は、政府や社会の在り方に変化を求めるものとなる。なぜなら、ひとり親世帯の増加は社会保障制度が仮定して
人工知能(AI)の開発者が研究開発に当たって留意すべき原則「AI開発ガイドライン(仮称)」の素案を策定するため総務省が設置した産官学会議から、AIスタートアップのPreferred Networks(PFN)が離脱していたことが明らかになった。 Preferred Networksは深層学習(ディープラーニング)開発のスタートアップ企業で、深層学習フレームワーク「Chainer」の開発元としても知られる。 総務省 情報通信政策研究所は、同ガイドライン素案策定のための産官学会議「AIネットワーク社会推進会議」を主催している。2016年12月には、素案策定に向けた論点整理を公開した。 この素案は、日本政府がOECD(経済協力開発機構)などに提案することを目的に策定するもので、「日本の法制度に直接反映させることを想定したものではない」(同研究所)という。 だがこの方針に対し、2017年1月まで同
2月の完全失業率が2.8%まで低下した。アベノミクスが発動した2013年初に失業率は4%台前半だったが、途中、2014年4月の消費増税後の景気失速局面で改善が止まった時期を除き、4年にわたり失業率が順調に低下し続けている。 ■日本経済最大の問題の1つ「人余り」が解消へ もちろん、統計数字は単月でブレることがあり、来月に失業率が再び上昇する可能性はある。だが、今年半ばからは2%台の失業率は定着していくとみられる。2%台の失業率は、長期デフレが始まる以前の1994年以来の水準である。デフレとともに日本経済最大の問題である労働市場での「人余り状況」が、ほぼ20年ぶりに解消されつつあることは、日本経済の正常化が続いている象徴である。 また、2016年度の上場企業の倒産が1990年度以来のゼロとなった。2015年度までは消費増税による所得減のショックが長引いたことに加え、中国など新興国経済の停
薬物依存、とりわけ、覚せい剤の乱用は、現在の日本社会におけるひとつの大きな問題だ。 厚生労働省によれば、平成になってからの四半世紀、覚せい剤取締法違反で検挙された人数は時に2万人、近年、減少傾向にあるとはいえ毎年1万人以上を数える。これは、違法薬物の中で圧倒的な1位で、2位の大麻にくらべて常に数倍にのぼる(いずれも輸出入や製造・栽培についての検挙も含まれているので、単純に使用したことで検挙された人の数ではないことには留意)。 社会的な関心も大きい。 例えば、芸能人が、覚せい剤を使って逮捕されたとする。 ワイドショーはもちろん、ニュース番組ですら、時に政治や国際問題よりも多くの時間をさいて伝える。スポーツ紙や週刊誌は、さらに強い関心を寄せるかもしれない。 「転落への道」「心の闇」などといった紋切り型の言葉を使い、「信頼を裏切った」「ファンに申し訳が立たない」と断罪することも多い。 「いち早い
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