執筆者 白井 洋一 1955年生まれ。信州大学農学部修士課程修了後、害虫防除や遺伝子組換え作物の環境影響評価に従事。2011年退職し現在フリー 農と食の周辺情報 白井 洋一 2019年8月21日 水曜日 キーワード:発がん物質 遺伝子組換え作物の最大手、モンサント社がバイエル社に買収され、モンサントの社名が消えて2019年9月5日で1年になる。新会社の戦略、新商品の開発計画もいくつか発表されているが、メディアの社会・経済面をにぎわしているのは、グリホサートによる発がん裁判の動きだ。 グリホサートはモンサント社が開発した除草剤で、この除草剤を散布しても枯れない組換えダイズ、トウモロコシ、ワタ、ナタネなどの作物の種子と除草剤をセットで販売することで巨額の利益を得た。グリホサートは多くの種類の雑草を枯らすため、空き地や道路端など非農耕地の除草にも広く使われ、日本のホームセンターなどでも大量に売ら