通勤中の電車内で女性の尻を触ったとして、東京都迷惑防止条例違反(痴漢)罪に問われた東京大学准教授の男性被告(46)の控訴審判決公判が25日、東京高裁で開かれた。山崎学裁判長は「被害女性の証言は信用できず、被告が犯人であるとの証明はない」として、罰金40万円の有罪とした1審東京地裁判決を破棄、無罪を言い渡した。 山崎裁判長は女性が痴漢被害を受けた事実を認定した上で、犯人が後方にいた被告であることを確認したとする女性の証言の信用性を検討。この点について尋ねた1審の裁判官の質問を「典型的な誘導尋問の繰り返し」と指摘し、「誘導尋問で得た証言を犯人特定理由の中核に据えた1審判決には賛同できない」と結論付けた。 被告は平成22年9月、JR総武線の電車内で30代の女性会社員の尻を触ったとして逮捕、起訴された。一貫して無罪を主張したが、24年8月の1審判決は「女性の証言は具体的で、被告が犯人と十分認定でき