「H&M」や「フォーエバー21」といった海外勢が続々と上陸し、「ファストファッション」は、もはや国内ファッション界の中核といっても過言ではない。成長を続けるこの分野は、どんな方向に進もうとしているのか。「しまむら」野中正人代表取締役社長に、ファストファッションの現状と未来を聞いた。 20~50歳代の主婦はやりの洋服を着たい ――そもそもファストファッションとは何なのか、聞かせてください。 野中 当社の衣料品は世間でファストファッションと呼ばれていますが、実は自分たちではあまり意識していません。インタビューを受ける前に調べてみたら、「トレンドの衣料品を安く提供する」という定義がありました。当社は「トレンド感があり品質の良い衣料を安く提供する」ことを心がけているので、当てはまるのでしょう。 当社は2000年頃まで、品質のいい衣料品を安く売ることに力を入れていて、流行に関しては半歩遅れていました