ぼくが飼っている猫のピートは、冬になると“夏への扉”を探しはじめる。家にたくさんあるドアのどれかが夏に通じていると信じているからだ。そしてぼくもまた、ピートと同じように“夏への扉”を探していた。最愛の恋人と親友に裏切られ、仕事を失い、生命から二番目に大切な発明さえも奪われてしまったぼくの心が、真冬の空のように凍てついてしまったからだ。失意の日々を送っているぼくにも、ピートが信じる“夏への扉”は見つかるのだろうか。未来は、ぜったいに過去よりよいものになる――それぞれの”夏への扉”を探して現代を生きる人々へ、新しい翻訳で贈るハインラインの希望に満ちあふれたメッセージ。新しい時代の『夏への扉』がここに登場。 0000115139