日米両政府が核兵器搭載の米艦船の寄港などを黙認する密約を交わしたとされる問題で、外務省は1981年の大規模な外交文書調査結果を根拠に密約の存在は確認できないとする「消極的否定」の立場を取る方針を固めた。 民主党が政権に就く場合を想定したものだが、密約そのものを否定する材料にならないため、苦しい立場に追い込まれる可能性もありそうだ。 調査はライシャワー元駐日大使が81年5月に日本の報道機関に密約の存在を明らかにしたことを受けて行われた。元大使が証言した「60年の日米安全保障条約改定時に核兵器積載艦船の寄港については、核の持ち込みにあたらず、事前協議の対象としないという日米間の口頭了解があった」との内容は、その後の研究者らの調べで60年1月6日に当時の藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日米大使が署名した「相互協力及び安全保障条約討論記録」に記されていることが判明。同記録は米国で公開済みだ。 日本側