2012年04月28日13:42 カテゴリ法/政治 本当の「巨悪」はどこにあるか 小沢一郎氏の無罪判決は予想通りだし、それが政局に与える影響にも興味がないが、不思議なのは、公的に何の地位にもない政治家の処遇がこれほど大ニュースになる日本という国の特異性である。 フランシス・フクヤマによれば、国家の建設は人類の歴史の中では特異な出来事だった。人類の圧倒的多数は小規模な同族集団で行動し、それに適した感情が遺伝的・文化的に組み込まれているので、よほど強い圧力がないと人々は昔からなじんだ部族社会を捨てて君主に服従しない。古代中国や中世ヨーロッパでは4~500年もの間、絶え間なく戦争が続いたため、部族社会を解体・統合して平和を実現する中央集権国家が出現した。 しかし日本人はそういう激しい長期にわたる戦争を経験したことがないため、暴力で支配する国家の必要がなく、人々は気楽で快適な部族社会に暮らし続け、