政府が全国的な電気料金値上げを画策している。東京電力福島第1原発事故の巨額な賠償金にツケ回す狙いだ。人災の疑いも濃い事故の後始末を、電気料金値上げでお手軽に回収しようというツラの皮の厚さには恐れ入るが、東電管内以外の国民も負担するとあってはますます筋が通らない。ただでさえ、原油など燃料価格の上昇で電気料金の値上げが続いているのに、どれだけ国民を苦しめるつもりなのか。 「『東電を国有化する必要なんてない。電気料金を2割上げれば賠償金を払えるじゃないか』と財務省の官僚は言ってのけた。東電を何としても国有化したくないという本音が伝わってきた」。こう証言するのは、ある外資系金融機関幹部だ。なぜ財務省は、そうまでして東電の国有化回避にこだわるのか。 「政府が気にしているのは東電の社債。格付けが高く、残高が5兆円もあるので、金融機関や年金資金など保有している投資家が多い。これがデフォルト(債務不履