タグ

関連タグで絞り込む (2)

タグの絞り込みを解除

好きと子どもに関するmamimu_memoのブックマーク (1)

  • バスタブの桃 - 傘をひらいて、空を

    丸ごと皮を剝いた桃を片手に湯船につかる。指の腹に果汁がじんわりしみる。肩から下の温度を感じながら白い桃を眺める。それからがぶりと噛みつく。わたしが動くと湯気がぼわりと揺れ、浴室に桃の匂いがたちこめる。入浴剤ともハーブのオイルともちがう、気性の激しい果実の香り。わたしは鼻孔をひらき、口をひらき、まぶたをゆるめ、歯を剥きだしにして桃をべる。 わたしが小さかったころ、「お行儀のない日」という祝日があった。親が口にする冗談みたいなもので、国民の祝日ではない。でも未就学の小さな子どもにとって、自宅での特別な日はそれと同じようなものだ。「お行儀のない日」は一年に二回くらい来た。今にして思えば、それは母とわたしをとても親密にした。 わたしの基的な生活習慣を躾けたのは父だった。父はまめな男で、家にいるときはしばしば掃除をしていた。手を洗うついでにシンクに残った器を洗うような人だった。幼いわたしは父に

    バスタブの桃 - 傘をひらいて、空を
  • 1