香港から台湾への距離は、およそ700キロ。東京から広島よりもちょっと遠いぐらいである。フライトなら1時間半。毎日数十本の往来便があり、東アジアのヒト・モノ・カネが活発に動いている太いルートだった。 しかし、香港情勢の悪化と中台関係の緊張、そして香港の民主化運動を支持する台湾の蔡英文政権の姿勢によって、香港・台湾関係はすっかり冷え込んでいる。さらに新型コロナウイルスによる往来の滞りもあって、両地の間には、新冷戦を象徴する目には見えない新たな「ベルリンの壁」が立ちはだかったようにすら見える。
大湾区は2030年をめどに、「知識集約型産業への転換」「高付加価値サービス産業・内需経済への切り替え」を目指している。 つまり大湾区は、競争力のある産業と知識集約型産業への転換を大目的にしているということだ。 その実現には「イノベーション」の役割が重要であり、大湾区は、中国におけるイノベーションの中心地の1つになることを位置付けられているといえる。 そこで、イノベーションの中心地という大湾区の立ち位置や、「新型コロナウイルス」騒動でそれがどのような変化を遂げていくのかについて検討してみたい。
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは h
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは h
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは h
9月13日、香港特別行政区政府は『日本経済新聞』に1頁大の意見広告を掲載した。下から5分の1ほどのスペースに、九龍と香港島に挟まれたビクトリア港、ビクトリアピークを背に立ち並ぶ超高層ビル群、白い雲を浮かべた青空――世界の金融センターとしての香港を象徴するような風景であり、どこまでも続く青空を模した色調の紙面は、明るい香港をイメージさせるに十分だ。 青空を背景にした最上部に大きく「香港」の2文字が配され、香港は「平和的、理性的かつ合理的なやり方」で問題解決に努める、と宣言している。要するに「自由で開かれた社会」である香港は「一国二制度」と「法の支配」を堅持し、「問題解決のための前提条件なしの対話」を進め、「回復力と知恵」を持つ「ダイナミックな経済体」である、と言う。最後は「香港は今回もきっと立ち直ります。それが香港という街なのです」とゴチックで強調され結ばれている。
6月9日、香港で湧き上がった逃亡犯条例改正案に反対するデモの巨大な人波。香港返還後、最大規模というその盛り上がりが、世界を驚かせた。2014年に行政長官の民主選挙を求めて学生が立ち上がった「雨傘運動」の「敗北」で、一時は無力感すら漂った香港の人々が、なぜ再び立ち上がる気力を取り戻したのか。 逃亡犯条例は、犯罪者の引き渡しに関する各国との取り決めを定めたもので、今度の改正ではあらたに中国が適用対象になる。今年2月に香港政府から立法会(議会)に提案され、今年7月までの可決を目指す政府と、それに反対する市民との間で、攻防が続いている。
鈴木崇弘(すずきたかひろ) 城西国際大学大学院研究科特任教授、早稲田大学総合研究機構総合政策科学研究所招聘研究員。専門は公共政策や社会システム。東京大学法学部卒。イーストウエスト・センター奨 学生としてハワイ大学等に留学。設立に関わり東京財団・研究事業部長、大阪大学特任教授・阪大FRC副機構長、設立に関わり自民党の政策研究機関「シンクタンク2005・日本」 の理事・事務局長、中央大学大学院公共政策研究科客員教授、厚生労働省総合政策参与、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)事務局長付(情報統括)、城西国際大学大学院国際アドミニストレーション研究科教授・研究科長、沖縄科学技術大学院大学客員研究員などを経て現職。PHP総研客員研究員等も務める。主な著書は『日本に「民主主義」を起業する』(第一書林)『シチズン・リテラシー』(教育出版)等。
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