最新の研究成果をもたらしたのは米国などの研究者がつくるnextstrain.org。新型コロナウイルスのゲノム情報を世界中から集め、その近似度に応じて樹形図に表した。研究成果は、ほぼリアルタイムでインターネット上に発表されている。 この樹形図は、どの感染者のウイルスが遺伝的に近いかを示す。 ウイルスのRNAゲノム情報はC、G、A、Tの4種類の文字で表される約3万基にのぼる情報列で、感染を繰り返すごとに、例えば1万文字目のCがGに変わったりAがTに変わったりするなど、徐々に変化していく。そのことから、文字列が違えば違うほど感染を繰り返したことになり、近ければ近いほど、直近の感染である疑いが強くなる。 愛知県蒲郡市でウイルスをまき散らすなどと称して居酒屋を転々とした50代男性の感染者がいたが、ゲノム情報を辿れば、今後、この迷惑な感染者からどれだけ感染が広がったかを探ることも、できるようになるわ