ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/satire_china (9)

  • 中国人がエリザベス女王を賛美し、香港人が女王の統治時代に複雑な思いを持つ理由

    <エリザベス女王は中国人が憧れるすべての要素を持っていた。一方、香港の人々は英植民地時代に懐かしい気持ちは持っているが......> 全長8キロ超、待ち時間は14時間以上──亡くなったエリザベス女王を弔問するための長い行列が世界を驚かせた。特に、スーパースターの元サッカー選手デービッド・ベッカムが一般人と同じように12時間以上列に並んだことに対して、「平等かつ公平、さすが文明社会のイギリス」という賛美的な投稿が中国SNSにあふれた。 安倍元首相の銃撃事件と全く違い、イギリスに一度も行ったことがない中国人でさえ、エリザベス女王の逝去に対してはお悔やみの言葉や賛美的な投稿が圧倒的に多かった。 なぜ多くの中国人が英女王を愛するのか? それは1000年を超える君主制の伝統からだろう。近年、中国で人気が絶えない宮廷ドラマの隆盛を見れば分かる。権威と富を握って頂点に君臨するだけでなく、知恵と美貌があ

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  • 荒ぶる上海の「白衛兵」、厳し過ぎる防疫措置がコロナ以上に市民の命を奪う実態

    <上品で国際的で、中国人にとっても特別な都市だった上海だが、厳し過ぎるコロナ撲滅運動で市民が死に追いやられる事態となっている> 「何カ所も病院を回ったが、どこからも診察を拒否された。どうにもならない」。4月14日、上海の71歳のバイオリニスト陳順平(チェン・シュンピン)は、急性膵炎の激痛と受診できない絶望の中で、自宅マンションから飛び降りた。 4月20日までに新型コロナに感染し亡くなった上海市民は25人。だが、厳しい防疫措置によって死に追いやられた上海市民は、これ以外にも多くいるはずだ。 「コロナの感染死ではなく防疫死」が上海ロックダウンの現実である。2600万人が家に閉じ込められ、工場と会社は休業、学校、病院は封鎖。スーパーと百貨店もシャッターを下ろし、公共交通機関も停止。高速道路も封鎖され、他所からの救援物資もなかなか市民の手元に届かない。 患者は病院で受診できず、お金があっても野菜を

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  • 日本・台湾・香港の「コロナ成績表」──感染爆発が起きていないのはなぜ?

    A Coronavirus Grade Report / (c)2020 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <新型コロナの被害を台湾と香港がい止められたのは「ある意味」中国のおかげ、では日は...> 中国・武漢から広まった新型コロナウイルスの全世界の感染者数は既に160万人を超え、アメリカスペイン、イタリアの感染者数はいずれも中国を上回った。 その一方で台湾や香港、日といった中国周辺の国や地域では感染爆発が起きていない。なぜだろう。 台湾は今回、最も被害を避けられた。その理由はいくつか考えられる。まず昨年夏に中国政府が発表した台湾への個人旅行禁止令。台湾の香港デモ支持や蔡英文(ツァイ・インウェン)総統の訪米などに対する仕返しと考えられ、台湾経済に大きな打撃を与えていたが、結局はそれで台湾人の命が救われた。「人間万事塞翁馬」という

    日本・台湾・香港の「コロナ成績表」──感染爆発が起きていないのはなぜ?
  • 新型コロナウイルス感染爆発で露呈した中国政府の病い

    China's Other Disease / ©2020 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <報道もなく、何も知らされていなかった武漢市民は安心して春節準備を進めていた。罪があるとすれば、それは市民ではなく......> 湖北省武漢市で発生した新型肺炎の感染者数は、中国国内外を合わせて1万人を大幅に超えた。死者は250人以上。湖北省全域がほぼ閉鎖状態となっている。 大混乱だが、1月初旬まで中国は全く何事もなさそうだった。なぜ一気に感染者が急増して、制御不能な状態に陥ったのか。ネットで公開された記事を整理して振り返ってみよう。 医学雑誌ランセットの論文によると、1番目の感染者が出たのは昨年12月1日。同月31日、59人の感染者確認という情報がネットに流出したが、翌日の元日には「武漢ウイルス性肺炎を捏造」という罪で医者を含む8人が警察に検

    新型コロナウイルス感染爆発で露呈した中国政府の病い
  • 新型肺炎の真実を伝える調査報道記者は、中国にはもういない

    China's Missing Investigative Journalists / ©2020 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <17年前の中国メディアはSARSについて大きく報じたが、習近平政権下で当時の新聞記者は囚人になるか、転職するか、「党の代弁者」になった> 昨年末、中国・湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者を多数確認という情報がネットに出た。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の再来か? 「新浪微博」にある武漢市政府の公式アカウントに問い合わせが殺到したが、ノーコメントだった上、問い合わせフォームを閉じてしまった。 そして2020年元日、新華社は「武漢ウイルス性肺炎に関する捏造情報をネットで拡散した8人を法律に従って処罰」という記事を発表した。その後の中国ネットは、イランの司令官殺害についての記事ばかり。散発的報道の

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    mamma_mia_guangzhou
    mamma_mia_guangzhou 2020/01/24
    「羊城晩報」「南方都市報」共に広東省広州市に本社を置く夕刊紙と朝刊紙。自由なジャーナリズムで知られ、中国当局が当初報道を許さなかった広東省でのSARS発生をいち早く報じた。
  • NBAを罵倒しながら熱愛する中国人の矛盾

    China's Hardball / ©2019 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <愛国主義教育で育った中国の人々は、クチでは愛国を言うがその心は違う> 「香港は中国の一部分だ、NBAは中国に謝れ!」 NBA(全米プロバスケットボール協会)は10月初め、人民日報など中国メディアから怒濤の非難を受けた。原因はヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー、ダリル・モーリーがツイッターで「自由のために戦う、香港と共に」というネットビラを投稿したこと。香港デモを応援するこの投稿はのちに削除されたが、中国側の批判は止まらない。中国バスケットボール協会は即座にロケッツとの提携関係を打ち切り、中国中央電視台(CCTV)や中国IT大手テンセントはNBAのプレシーズン試合の放送を中止した。 NBAはこれに反発。香港デモに無関心なアメリカ人NBAファンた

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  • 香港デモと中国政府の「本音」 反中ユーザーSNSへの攻撃は止められていた

    <逃亡犯条例改正に断固として反対する香港の抗議をめぐって、香港の著名人と中国政府には共通する態度が見られる> 6月以降、逃亡犯条例改正案に反対するためのデモが香港で繰り返されている。改正案がもし成立したら、香港で身柄を拘束された容疑者は中国土への移送が可能となる。言論の自由も崩壊し、一国二制度を前提とした香港司法の独立も終わりとなる......と香港人は「香港の中国化」をとても怖がった。 デモが理性的で平和的だった6月、中国メディアはこの件を一切報道しなかった。デモを支援する者が中国SNSに投稿した情報や写真もすぐに削除された。その結果、普通の中国人は、その時香港で何が起きていたかほとんど知らなかった。 だが、7月1日に事態は一転する。その日は香港返還の22年目の記念日で、これまで平和的だったデモはなぜか急に過激化し、参加者は立法会(議会)に突入した。これをきっかけに、中国の官製メディ

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  • 中国人も怒る世界初の遺伝子編集ベビー

    China's Morality Battle (c) 2018 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <世界初の遺伝子編集ベビーの誕生が世界を驚かせたが、中国では国内格差への不満が世論の怒りに拍車をかけた> 残り1カ月を切った2018年に世界の人々を最もびっくりさせたニュースは、遺伝子編集された赤ちゃんが中国で生まれたことだろう。世界初、しかも双子の遺伝子編集ベビーが誕生した。 真っ先に報道した官製メディア人民網の最初の記事は、「エイズウイルスに感染しない世界初のゲノム編集赤ちゃんが中国で誕生した」という「自慢話」だった。このとき、彼らはその後の世論の反発と人民の怒りを全く予想していなかった。 最初にこのニュースを耳にしたとき、中国のネットユーザーたちは「また嘘記事だ」と信じなかった。だが当だと分かると、人々の怒りと恐怖でネットは炎上

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  • 中国を席捲する「ニシキゴイ」ブーム | 風刺画で読み解く中国の現実 | コラム | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    Koi Breeding, the China Way (c) 2018 REBEL PEPPER/WANG LIMING FOR NEWSWEEK JAPAN <いま中国で爆発的人気の「錦鯉」は、水槽どころか育てる必要もない。ただネット上でシェアするだけ> 「中国では今、錦鯉(ニシキゴイ)が爆発的人気だよ!」という話を聞くと、日人は大体「当に? 大きな水槽がないと困るね!」と、育てることばかり考える。しかし中国錦鯉に水槽は要らない。水槽どころか、育てることさえも要らない。ただネット上でシェアするだけでいい。 「中国錦鯉」は物の魚のことではない。今年の国慶節の連休中、アリペイは中国の人気SNS新浪微博で「中国錦鯉になろう」というキャンペーンを始めた。書き込みを転発(リツイート)して抽選に当たれば、スポンサーが提供するたくさんの賞品が当たる。世界中どの国でも、アリペイを使えるところでさ

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