東京における現在の牛肉のすき焼きは、戦前「牛鍋」と呼ばれていました。それではいつ、なぜ名前がすき焼きに変わったのでしょうか? 【ランキング】「ひとり鍋で食べたい鍋」トップ5 すき焼きは何位? よく耳にするのが、1923(大正12)年の関東大震災で東京の牛鍋屋が衰退し、かわりに関西のすき焼き屋が東京に進出したからという説明ですが、これは事実ではありません。 関東大震災後に発行された ・『食行脚』 ・『人間見物』 ・『東京名物食べある記』 ・『浅草経済学』 ・『三都喰べある記』 ・『大東京うまいもの食べ歩き』 などの食べ歩き本、外食店評論本に登場するのは東京伝統の牛鍋店ばかり。登場する関西風すき焼き店は「菊水」「浪花」のみです。 牛鍋がすき焼きに名前を変えたのは、関西のすき焼き屋進出が原因ではないのです。 親子丼で有名な人形町の老舗「玉ひで」(中央区日本橋人形町)。この店で出される軍鶏(シャモ