グリーン成長戦略では、発電や輸送、製鉄など様々な分野での水素利用を急ピッチで進めることがうたわれている。「夢のエネルギー源」として、近年再び注目を集める水素だが、商業利用するには、高いハードルがいくつも立ちはだかる。水素社会を「夢」に終わらせないためには何が必要か。 現在、日本では年間130万t程度の水素が消費されている。だが「その99%は製鉄や石油精製といった、水素が発生する施設内で自家消費されており、一般に流通するのは1万t余りにとどまる」(岩谷産業)。 グリーン成長戦略では、発電や輸送、製鉄など様々な分野での水素利用を急ピッチで進め、国内導入量を2030年に最大300万t、50年に2000万t程度へと飛躍的に高めることを目指している。ただし、この目標には多くの壁が立ちはだかる。 採算度外視の価格「100円」 政府の試算では水素の価格を、30年に1Nm3(1ノルマルリューベ=気体の標準
大手企業のソースコードが「GitHub」に流出したことが話題になっている。誤解してほしくないのは、今回の件でGitHubは全く悪くないことだ。問題はモラルハザードにある。モラルを売ると金になる構造に加担してはいけない。 話題のソースコード流出事件、報道にちょっと疑問 筆者は普段、深圳の開発ボードスタートアップ界隈(かいわい)にいて、それに関連する記事を書いている。今回は日本の話だが、編集部からリクエストがあり、かつ筆者自身も書きたいと思った。著名な企業・組織のシステムのソースコードが、共同開発サービスのGitHubにアップされた件である。 「Twitter」などでの情報を見る限り、かつて多重下請けでプログラムを書いていたエンジニアが、手元のソースをうっかり共同開発サービスのGitHub上に、誰でもソースを見ることができる設定で公開してしまったらしい。三井住友銀行など大企業のものとみられるソ
世界的なヒットになった小型ビジネスジェット機の「HondaJet(ホンダジェット)」。2015年の運用開始から今では約160機が世界で運用されており、小型ジェット機分野における販売シェアは2017年から3年連続で世界トップに君臨する。 そんなホンダジェットの設計・開発責任者がホンダ エアクラフト カンパニー社長兼CEO(最高経営責任者)の藤野道格氏だ。ホンダに入社してから30年間航空機の開発に携わり、ユニークな小型ビジネスジェット機をゼロから設計し、商用化まで実現させた。 そんな藤野氏が『逆・タイムマシン経営論 近過去の歴史に学ぶ経営知』(日経BP)の著者の1人である一橋ビジネススクール教授の楠木建氏とオンラインで対談した。 技術革新への対応など過去の経営判断を振り返り、今の経営に生かす「逆・タイムマシン経営論」を読んで、「さまざまな共感と気づきが得られた」と語る藤野氏。航空史に名を残すエ
お好み焼きや焼きそばなどの料理で重宝する家庭も多い三島食品(広島市)の「青のり」。濃い青のパッケージがなじみ深い1971年発売の歴史ある商品だが、今年は様相が異なっている。パッケージが緑へと装いを新たにし、商品名も「あおのり」と平仮名表記となっているのだ。 どういうことなのか。これまで「青のり」はスジアオノリという種類のアオノリを使って製造。複数あるアオノリの中でも香りが強く、色鮮やかなのが特徴だ。だが、近年このスジアオノリの収穫量は激減。2015年度は100トン以上収穫されていたものの、19年度は10分の1の10トンを切る水準まで落ち込んだ。入札が行われない期間さえあったという。 原因は特定されていないものの、スジアオノリが生産される河口周辺の水温上昇やミネラルをはじめとする栄養分の不足が理由とみられる。収穫量の激減は取引価格の上昇を招いただけでなく、「青のり」の安定的な供給を脅かすまで
どうすれば日本を再興の道へと導けるのかを著名人に聞くシリーズ「再興ニッポン」。今回はデジタルアートのトップランナーとして世界の注目を浴びるチームラボの代表、猪子寿之氏です。事業家としてのみならず、独自の目線から人の動きを観察し続けている若手論客に、我々は今後、どこに向かって進んでいくのか、社会や人間の変化を聞きました。 猪子寿之[いのこ・としゆき]氏 チームラボ代表。1977年、徳島市生まれ。東京大学工学部計数工学科卒業と同時にチームラボを創業。アニメーターや技術者、建築家、数学者などで構成するクリエーター集団のチームラボはデジタルアートの常設展示「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」(東京・お台場)などを展開する。(写真:吉成大輔、以下同じ) 新型コロナウイルスの感染拡大は、社会にどのような変化をもたらしま
香港では香港国家安全維持法(国家安全法)の施行以降、民主派への締め付けが一層強まっている。特に、香港政府・中央政府ともに立法会選挙での民主派が過半数を獲得することを恐れていると考えられ、7月11・12日に行われた民主派の予備選挙の違法性について言及している。 近づく立法会選挙 香港の立法会選挙は9月6日に実施される予定だ。新型コロナウイルスの第3波の拡大が進んでいることを理由に延期するべきという声も建制派(いわゆる親中派)から上がっているものの、立候補の受付は7月18日から行われている。黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏をはじめ少なくとも12人の民主派立候補者が、香港政府の選挙主任から立候補資格確認のために政治的立場を問う質問書の送付を受けている。受け取った質問は候補によって違っているが、外国に制裁を求めるか、政府の予算案や議案を否決するか、国家安全法に反対するかなどと言った内容だ。実際に7月
なんと、黒川弘務東京高検検事長が辞意を表明した。 2020年に入ってからというもの、毎日のようにびっくりすることばかりが続いていて、何かに驚く感受性自体が、たとえば去年の今頃に比べて、50%ほど鈍化した気がしているのだが、それでも今回のこのニュースには仰天した。 黒川氏は、5月21日発売の「週刊文春」誌がスクープしている新聞記者との賭け麻雀の事実関係を認めて、辞意を漏らしたもののようだ。 してみると、3日前(18日)に政府が検察庁法の改正案の今国会での可決成立を断念した理由も、安倍総理が説明していた「国民の皆様のご理解なくして前に進めて行くことはできない」という筋立ての話ではなかったことになる。 「ネット世論が政治を動かした」 というわたくしども野良ネット民の受け止め方も、こうなってみると、ぬか喜びというのか、勘違いだった可能性が高い。 政府が法改正を断念した理由は、あらためて考えるに、黒
公的統計データなどを基に語られる“事実”は、うのみにしてよいのか? 一般に“常識“と思われていることは、本当に正しいのか? 気鋭のデータサイエンティストがそうした視点で統計データを分析・検証する。結論として示される数字だけではなく、その数字がどのように算出されたかに目を向けて、真実を明らかにしていく。 ※文中にある各種資料へのリンクは外部のサイトへ移動します 2020年4月7日に出された緊急事態宣言は、5月4日に5月末までに延長されました。 対象は全都道府県ですが、13の特定警戒都道府県は引き続き極力8割の接触削減に向け「これまでと同様の取り組みが必要」とされました。安倍晋三首相は、それ以外の県は「感染拡大防止」「社会経済活動の維持」の両立に配慮した取り組みが必要だと、第33回新型コロナウイルス感染症対策本部で説明しました。一方、5月の連休明け以降、一部地域では休業要請などの緩和や、緩和に
新型コロナウイルス感染症が世界で猛威を振るっている。この新型コロナウイルスの感染者が一人も世界保健機関(WHO)に報告されていない国の一つに北朝鮮がある。2020年4月15日時点で、国連加盟国193カ国のうち16カ国で新型コロナウイルスの感染者が確認されていない。その中で、新型コロナウイルスの感染爆発の源となった中国と国境を接しているのは、北朝鮮とタジキスタンだけである。 感染者ゼロの国? 北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染者が確認されていない国の中で最大の人口を持つ。それだけに感染者が出やすいはずだが、なぜ北朝鮮では確認されていないのであろうか。 結論から言えば、北朝鮮に一人も感染者がいないというのは疑わしい。検査に漏れたか、検査していないだけかもしれない。ただし、北朝鮮が新型コロナウイルスへの強力な対策をかなり早くから実施してきたことは事実であって、感染者がいたとしても、それほど多いと
東京など7都府県に緊急事態宣言が発出されてから、半月が経過しようとしている。この間に、緊急事態宣言は、全国に拡大された。都民に告知されていた外出自粛要請の内容も、夜間の外出に特別な注意をうながすなど、日に日に峻厳さを深めつつある。 私自身の暮らしぶりは、新型コロナウイルスの感染拡大以前と比べて、さほど変わっていない。というのも、1990年代以降、プロフィール欄に「引きこもり系コラムニスト」であるとか「岩窟ライター」といった文言を書き並べていたことからも明らかな通り、私は、元来が出不精で、だからこそアームチェア・コラムニストという仕事を選んだ人間でもあるからだ。 COVID-19をめぐる騒動がはじまるずっと以前から、私の活動範囲は、自宅を起点とした半径500メートル以内にほぼ限られている。その徒歩圏内から外に出る機会も、週に1回ほどの頻度に過ぎない。 とはいえ、生活習慣に特段の変化がなくても
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く