世界で同時多発的に厳しい干ばつ被害が起きている中で、いま中国が観測史上最悪の熱波に見舞われている。そんな中国で最も深刻な打撃を受けているのは中部と南部を流れる長江流域で、約4億5000万人が生活している長江流域では、今夏に70日以上にわたって異常な高温と雨不足に襲われた。 中国の農業生産の3分の1を支える長江流域の不調は中国全体の食糧危機に直結すると言っても過言ではない事態にあって、ここへきて中国がとんでもない「対策」に出始めた。それはなんと「人工降雨」を降らせるというもの――。 当然、気候を人工的に操作するために計り知れないリスクや影響が出る可能性もある。いまいったい、何が起きているのか。そしてリスクは……? その最前線をレポートしよう。 中国で、まさか「人工降雨」で連日の豪雨…! 危機感を高める長江流域の地方政府は、長引く干ばつの影響を緩和するため、人工的に雨を降らせる取り組みを開始し