はじめに 「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」と「機動戦士ガンダム F91」には共通点がある。 それは作中に富野由悠季監督自身を投影する存在が 二人(計四人)いて、大きく物語に関わる点である。 逆襲のシャアではシャアとアムロの二人。 F91ではカロッゾ・ロナ(鉄仮面)とシオ・フェアチャイルドの二人が該当する。 この各二組の関係と富野監督の関係について考えてみたい。 逆襲のシャアの二人の富野由悠季-シャアとアムロ まず逆襲のシャアの二人について。 アクシズを落とし人類を粛清しようとする、性急的なシャア。 一方で人類にシャアほど絶望はしていない、漸進的なアムロ。 富野監督にとってシャアは自身の理想の投影であり、アムロは現実の投影である。 そしてアクシズを巡り、理想のシャアと現実のアムロの二人が せめぎ合うのが、逆襲のシャアの根本的な構造だ。 まず富野監督の理想はシャアを見る限り、組織のトップにな
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