ふつーのプログラマです。主に企業内Webシステムの要件定義から保守まで何でもやってる、ふつーのプログラマです。 電話が鳴った。 あたしはワンコールで受話器を取り上げた。別に待ちかねていたわけではなく、朝から続くしつこい頭痛に干渉する電子音を一刻も早く断ち切りたかっただけだ。 「はい、日比野です」 『受付です。ホライゾンシステムサービス株式会社様がいらっしゃいました』 「すぐ行きます」 あたしは受話器を置いて時計を見た。14:12。約束の時間より約10分の遅刻だ。 ――まあ、遠いから仕方ないか 腰を上げたとたんに立ちくらみに襲われた。椅子にへたりこみそうになるのをぐっとこらえて、窓際の席でヒマそうにしている磯貝課長に呼びかけた。 「課長、ホライゾンシステムさん、いらっしゃいました」 「あいよ!」 磯貝課長の脳天気な返事を後頭部で受けておいて、あたしは頭を揺らさない程度に早足でフロアを出た。さ
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