医学・医療情報の信頼性を判断する際の基準として、これまでいくつかの研究デザイン(方法)を見てきましたが、今回は、中でも「最も信頼性が高い」と言われている方法について取り上げます。研究対象となる人を無作為(ランダム)に二つの集団に分けて比べる「ランダム化比較試験」と呼ばれるものです。 ▼ランダム化比較試験の結果は、最も信頼性が高い ▼ランダム化比較試験を実施するには、多くの手間(人、時間、研究費)がかかる ▼「害のあるリスク」について介入する試験は実施できない 前回紹介した「コホート研究」で残された問題点の一つに「交絡バイアス」がありました。「交絡バイアス」とは、交絡因子(第三の因子)による影響でゆがんだ結果を導く誤りです。 例えば、「食物繊維の摂取量」と「大腸がんの発生頻度」に関係性が認められたとしても、実はその裏で他の「隠れた真の原因」があるのかもしれません。これまでの研究結果では、大腸
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