レイプなど性暴力の被害を受けた女性のための「性暴力救援センター・大阪」(SACHICO(サチコ))が、四月に大阪府松原市の阪南中央病院内に開設された。二十四時間、相談や治療を受けられ、警察への通報などもできる全国初の総合支援の拠点。医師、弁護士らが「被害直後から十分な支援を受けることが、被害者の回復に不可欠」と関係機関に協力を求め、設立にこぎ着けた。愛知県警も同様のケア拠点設置を予定している。 (野村由美子) 病院の二階廊下奥の扉を開けると、じゅうたん敷き、花柄の壁紙の待合室。面談室は柔らかなソファ。奥の診察室には内診台が置かれ、検査や投薬は、産婦人科と同様の設備を持つ。証拠保全のために、被害者に事件の時の服装で来院を求めることも多く、シャワー、着替えなども用意されている。興味本位の視線を防ぐために、扉に小さな看板があるだけだ。 産婦人科の加藤治子医師が中心となり、同科の医師や助産師、精神