少なくとも新卒採用状況をみると、就職率は改善しています。それだけをみると、若者の雇用問題は終わった、と言われかねません。ただなかなか楽観できない面があります。大卒、高卒とも新卒雇用が回復しているのは、景気が良くなっているとか、労働市場が改善されているという理由からではなく、団塊世代が退職期を迎えて、大量に抜けたからです。頭数が足りなくなり、中途を含めて採用が活発化している。現政権はこれをもって良いことが起きているかのように言いがちですが、実際にはそうではありません。 地方でも、求人倍率が上がっています。それを安倍首相はアベノミクスが成功したかのようなデータとして示していますが、それも違う。地方で求人倍率が上がっているのは、若者が地方で望む仕事が必ずしもあるわけではなく、大都市に出てくるがゆえに、求職者が減っているということがあります。求人と求職が合致していないんです。すばらしい経済の活性化