ブックマーク / courrier.jp (20)

  • 「同僚の給料」が開示されると組織はどうなる? 意識の変化がもたらす余波 | 「給与の透明性」に関する法律が近く施行へ

    北米のプロアイスホッケーリーグ「ナショナル・ホッケー・リーグ(NHL)」の選手も、スケートをはかなくて済む一般のサラリーマンと同じように、同僚がどれくらいの報酬を得ているのか、まったく知るよしもなかった。1990年のある朝、選手全員の年俸一覧が新聞の一面を飾るまでは──。 これはエコノミストをとりこにしてやまない「給与の透明性」のテーマに関する極端な事例だ。 一夜にして起こったこの衝撃でどのような影響が及んだのか? ある研究者が行った「NHLショック」に関する検証は、給与情報を開示した場合に社員やチーム全体にどのような影響をもたらすのかを探る上で、興味深い洞察を提供する。 足元では、ホッケー業界を見舞ったのと同じショックが全米各地でも起きようとしている。 米国は給与の透明性を巡る闘いで岐路に近づきつつあり、ウォール街からシリコンバレーに至るまで、有力企業の一部に大きな変化をもたらす可能性

    「同僚の給料」が開示されると組織はどうなる? 意識の変化がもたらす余波 | 「給与の透明性」に関する法律が近く施行へ
  • イーロン・マスクが“開拓”した「地球最後の村」ボカチカへようこそ | 「火星旅行の拠点」に生まれ変わった過疎地域を訪ねて

    「忘れられた村」が宇宙への「夢の拠点」に 乳白色の雲が広がる空の下、一のアスファルト道が起伏しながら何キロも続いていた。遠くの地表付近は陽炎で揺れ、強い日差しのせいでアスファルトが溶け出しそうだった。 灼熱の空気が重くのしかかり、時間もゆっくりと流れる。すると突然、目の前に砂浜が現われた。この黄金色の砂の浜辺が、テキサス州最南端のリオ・グランデ川の河口まで長く続くのだ。 ここがメキシコとの国境に近いボカチカの村である。 エキゾチックなのは名前だけで、この地には高級ホテルも流行のバーもない。巨大クルーザーが泊まるマリーナもなく、あちこち行き来する観光客のためのレストランの類もない。左を見れば、道の向こうに潟湖が遠くまで広がり、近隣のリゾート地サウスパドレ島のホテル群が水平線に林立して見える。その様子は、小さなマッチ棒がセロテープで貼りつけられているかのようだった。 内陸側を見れば、サボテン

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  • Spotify誕生を描く『ザ・プレイリスト』は、エンタメ業界が抱える問題を提起している | いまこの作品を観るべき理由

    数多のコンテンツのなかから、いま見るべき映画海外ドラマを紹介する連載「いまこの作品を観るべき理由」。今月のおすすめは、「サブスクを考えた人は地獄に落ちてほしい」発言で注目されているSpotifyの誕生を描く実話ドラマ『ザ・プレイリスト』だ。 若き起業家によるスタートアップが、評価額10億ドル以上のユニコーン企業(設立10年以内の非上場テクノロジー企業)になる。2013年にユニコーンの概念が作られた時、2000年からそれまでに作られた該当する会社は、わずか39社だった。2010年代には倍速で増えていったわけだが、起業家にとってまさにユニコーンは夢である。 テクノロジー業界でこの夢を叶えた創業者たちの物語としては、2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』が金字塔だろう。近年、この手の題材はドキュメンタリーも含めて非常に多く映像化されている。 野心があり、才能にあふれ、カリスマ性がある一人

    Spotify誕生を描く『ザ・プレイリスト』は、エンタメ業界が抱える問題を提起している | いまこの作品を観るべき理由
  • 壮大な景色に感動するほど、人はより「善良な人間」になる | 感動体験が心身の健康に及ぼす影響

    壮大な自然や音楽を前にして圧倒され、鳥肌が立つような気持ちになること。自分の存在がちっぽけなものに思えて感動すること──そうした経験を「オウ(Awe/畏怖の念)体験」と呼ぶ。 この「オウ体験」は、ただ人の心を揺さぶるだけではない。なんと性格にも影響することが研究で明らかになっているという。 人は小さなものにも「畏敬の念」を覚える 数年前、私は一人でランサローテ島に出かけてウォーキングを楽しんだ。初日に海岸沿いの坂道を歩いていて出くわした光景は、いまだに夢に見る。 巨大な黄土色の山々が空を貫いていた。黒砂のクレーターと不気味な緑色のラグーンが点在するさまは、まるで火星のよう。思わず鳥肌が立った。つかのま、私は心地よいほどちっぽけな存在になっていたのだ。休暇のあいだ、一週間毎日「オウ(Awe/畏怖の念)散歩」に出かけ、意図的に周囲に注意を向けて、未知のディテールに驚嘆するに身を任せた。 この数

    壮大な景色に感動するほど、人はより「善良な人間」になる | 感動体験が心身の健康に及ぼす影響
  • ナチスは強制収容したユダヤ人女性たちを不妊にしたのか? | 「子供がもっと欲しかった。いろいろ試しました」

    ナチスの強制収容所に入れられたユダヤ人の女性たちは、意図的に不妊にさせられていた可能性があることを示す研究が発表された。その根拠は何か? どのような手段が使われたというのか? ユダヤ系メディア「フォワード」がその謎に迫る。 この記事は米大手ユダヤ系報道機関「フォワード」で最初に掲載されたものです。フォワードの無料ニュースレター登録はこちら。 「おばあちゃん、アウシュヴィッツにいたとき生理はあったの?」 若い女性が93歳の祖母にそう尋ねるTikTok動画がこの夏に拡散された。「いいえ」と答える祖母の腕には、強制収容されたときに入れ墨された囚人番号があらわになっている。 「私たちの事に何かの薬が入れられていて、それで生理が来なくなったから」 看護師のミリアム・エザグイが投稿したこの動画には「いいね」が300万以上もついたが、懐疑的なコメントも無数にあった。 「それは栄養失調のせいだと思ってい

    ナチスは強制収容したユダヤ人女性たちを不妊にしたのか? | 「子供がもっと欲しかった。いろいろ試しました」
  • チャールズ・ダーウィンが女性差別者だったために「進化論」には限界が生じた | オスの形質にばかり着目し、メスの可能性を過小評価

    19世紀のイギリスの自然科学者チャールズ・ダーウィンは、現代の生物学の基盤となる「種の形成理論」を構築した。しかし、ダーウィンは女性差別者であり、それゆえにメスの可能性を過小評価し、彼の進化論は不充分なものだったことが明らかになった。 ダーウィンは「メス」の可能性を信じていなかった 生物学的に言うと、「性交」はコストの大きくかかる仕事だ。適切な相手を見つけるのに非常に大きな時間とエネルギーを要し、さらに子孫を残すために莫大な資源が求められる。 しかし、「性交」によってより良く新しい遺伝子と組み合わせることで、親よりも健康な子供を残せる可能性がある。そして、ダーウィンは、多くの動物種が慎重に相手を選んでいることに気がついた。

    チャールズ・ダーウィンが女性差別者だったために「進化論」には限界が生じた | オスの形質にばかり着目し、メスの可能性を過小評価
  • 倒産寸前のラム蒸留所が、ギャングを更生して一流ブランドに這い上がるまで | ラグビーの試合はマーケティングの絶好の機会

    かつて世界でも凶悪な犯罪都市だったベネズエラのサバネタ。経済の崩壊で次々と企業が国外に脱出していくなか、倒産寸前だったラム酒メーカーが、犯罪組織のボスと共に社会復帰事業を起こす━━。プログラムは功を奏し、同社のラムは世界に輸出される一流ブランドにまで育った。そんな彼らの挑戦の道のりを、米紙が追った。 ベネズエラのサバネタにあるその家はかつて、身代金が到着するまでのあいだ、誘拐した人質を匿っておくために使われていた。それがいまでは、ラム酒メーカーの事務所に変貌している。 この家の用途を一変させたのは、ラム酒メーカーのサンタ・テレサと、犯罪組織のボスであるルイス・オロペサと彼の弟子たちである。それは、一風変わった社会復帰事業「アルカトラス・プロジェクト」の一環だった。独裁主義的な政府のせいで経済が下降スパイラルに陥っているベネズエラの大部分が無法状態にあるなか、この事業はサバネタの街に穏やかな

    倒産寸前のラム蒸留所が、ギャングを更生して一流ブランドに這い上がるまで | ラグビーの試合はマーケティングの絶好の機会
  • イーロン・マスクとランチをしながら「ツイッター買収の本音」と「怒りの原因」を聞いてみた | 「テスラは持続可能なエネルギーの到来を20年早めた」

    「ツイッター」を買収して「言論の自由」を獲得しようとしたり、ウクライナ戦争を終わらせるための“和平案”を提案したりと、何かと話題に事欠かないイーロン・マスク。もちろん、火星開拓への執着ぶりは変わらない。現在「ダイエット中」のマスクと英「フィナンシャル・タイムズ」紙の記者が、ランチをした。 イーロン・マスクとのディナーは、テスラでのドライブから始まった。テキサス州の州都オースティンで、私はマスクの2歳半の息子Xと並んで後部座席に座る。午後7時くらいだった。案の定、Xはぐずりだした。向かう先はマスクお気に入りのメキシコ料理店「フォンダ・サン・ミゲル」。 その前に私は同僚と、コロラド川のほとりに建つ「ギガファクトリー」を案内されていた。この巨大な生産工場で、テスラの最新小型スポーツ多目的車(SUV)の「モデルY」が生産されている。モデルYは世界で最も売れているテスラEVで、マスクを長者番付の首位

    イーロン・マスクとランチをしながら「ツイッター買収の本音」と「怒りの原因」を聞いてみた | 「テスラは持続可能なエネルギーの到来を20年早めた」
    marumarumaru1234
    marumarumaru1234 2022/10/30
    アイン・ランドの小説に出てきそうなやつだな
  • 10年付き合った恋人に「実はトランスジェンダーなんだ」と打ち明けられた日 | 取り残された私、本当の自分へと変化していく彼

    自分はLGBTQ+の人々を理解し、支援もしている──そう考えていた筆者だったが、恋人にトランスジェンダーであることをカミングアウトされると、大きな混乱と悲しみに襲われる。一筋縄ではいかないその複雑な感情に、筆者はどのようにして折り合いをつけるのだろうか。 人生が変わった夜 10年付き合った彼氏に「なんでいまだにプロポーズしてくれないの」と問い詰めたのは、それが午前3時で、私がお酒をたくさん飲んでいたからだ。 私たちは強い絆で結ばれていて、幸せで、当に愛し合っていた。だから、彼がいつまでも何も言ってくれないのは、素面のときでも馬鹿げているように思えたし、酒が入るとますますそう思った。 私がいつまでも聞き続けたから、彼のなかでプツンと糸が切れたのだと思う。彼が私に秘密を打ち明けたのは、そのときだったからだ。 目が覚めると、彼はいなかった。私は彼のWhatsAppのステータスを、まるで病気で苦

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  • 福島第一原発から66キロ、「フクシマ産100%」の逢瀬ワイナリーに英紙が太鼓判 | 風評被害に立ち向かうワイナリーの挑戦

    英紙「オブザーバー」が福島県の「ふくしま逢瀬ワイナリー」を訪問。国内外で高い評価を得ているワインに舌鼓を打つと同時に、風評被害に立ち向かう人々を取材した。 知られざる「日のテロワール」 「ふくしま逢瀬ワイナリー」は、丘の中腹にある手つかずの森にたたずみ、周囲には収穫間近の果物や野菜がたくさん実る畑が広がる。ある晩夏の午後、そよ風が暑さを和らげるなか、ブドウの木には熟した房がたわわに実っていた。 日のテロワール(ワイン産地の土壌や気候条件)として、これほど素晴らしい環境は他に想像がつかない。 このワイナリーの製品は国内外で受賞歴があり、冷えたシャルドネは蒸し暑い夜にぴったりだ。それは紙オブザーバーも太鼓判を押すところである。 ただ、マーケティングの面では悩ましい問題に直面している。ワインやシードル、カルバドス、リキュールの原料となるブドウやリンゴ、ナシ、モモはすべて地元の福島県産なのだ

    福島第一原発から66キロ、「フクシマ産100%」の逢瀬ワイナリーに英紙が太鼓判 | 風評被害に立ち向かうワイナリーの挑戦
  • 死んだら自然に還ろう──環境に優しい新たな埋葬法を次々と生み出すアメリカのスタートアップ | 普通の墓地への埋葬はもう古い?

    死んだら環境にやさしい死後のあり方 人が死んだら、もう環境へ負荷をかけないわけではない。従来の土葬ではホルムアルデヒドなどの有害な化学物質を含む鉄やコンクリートが使用される。欧米の墓地には芝生が広がるが、その維持には肥料と水が必要だ。火葬にも大量のエネルギーが使われる。 しかし、トランセンドという新しいスタートアップは、墓地を森に見立てた新たな埋葬事業を始めようとしている。遺体を木の下に直接設置し、分解されると木の一部になるようにするというものだ。 同社は、この「樹木葬」を全米の主要都市近郊で展開しようとしている。そこでは、まず浅い墓に木片や干し草を敷き詰め、その上に麻の布で包まれた遺体を設置する。その上に木片、菌類を混ぜた地元の土を被せ、その地に自生する樹齢2〜4年の若木を植えるのだ。

    死んだら自然に還ろう──環境に優しい新たな埋葬法を次々と生み出すアメリカのスタートアップ | 普通の墓地への埋葬はもう古い?
  • ロシア人歴史学者「プーチンはベラルーシから核兵器を撃つだろう」 | 大規模な戦争をはじめない限り、プーチンの地位は安泰

    終わりの見えないウクライナでの戦争だが、プーチン大統領が予備兵の動員を発令したことは、ロシア衰退の兆しなのだろうか。同国が降伏することは、あるいはプーチンが失墜させられることはあり得るのだろうか? ロシア出身の歴史学者ユーリー・フェリシチンスキーに、スペイン紙「エル・パイス」が取材した。 クリミア侵攻は「誤りを正す計画の始まり」だった ユーリー・フェリシチンスキー(1956年、モスクワ生まれ)は、1978年からアメリカに拠点を置く歴史学者だ。ロシアの秘密情報活動の研究を専門としている。 2002年には、アレクサンドル・リトビネンコと共著で『ロシア闇の戦争―プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く』を出版。公式にはチェチェンのテロリストの犯行とされた1999年の高層アパート爆破事件に、ロシア諜報部の関与が疑われることを明かす一冊だ。著者たちによれば、事件の真の狙いは低迷していたプーチン大統

    ロシア人歴史学者「プーチンはベラルーシから核兵器を撃つだろう」 | 大規模な戦争をはじめない限り、プーチンの地位は安泰
  • デヴィッド・ハーヴェイ「私たちは“未来”を差し押さえられているのです」

    デビッド・ハーヴェイ David Harvey 1935年生まれ。批判的地理学の第一人者。博士(ケンブリッジ大学)、ブリストル大学講師、ジョンズ・ホプキンス大学准教授・教授、オックスフォード大学教授を経て、現在、ニューヨーク市立大学名誉教授。著書『資主義の終焉』ほか多数 Photo: Daniel Lobo 地理学分野で世界で最も多く論文が引用されている研究者、デヴィッド・ハーヴェイ(ニューヨーク市立大学名誉教授)。「立命館大学経済学部設立70周年記念プレ企画」として日に招かれ、「資の時間と空間」と題した講演をおこなった。 クーリエ・ジャポンではハーヴェイ教授の貴重な講演から、世界的危機の再来を招く資主義システムについてわかりやすく解説した箇所を中心に翻訳し、再編集して掲載する。 「世界は再び財政的危機に陥る」 先週末、「フィナンシャル・タイムズ」紙を読んでいたときのことです。 私

    デヴィッド・ハーヴェイ「私たちは“未来”を差し押さえられているのです」
  • 「ナチスに略奪された来歴あり」と芸術作品に明示を義務づける法律は「強制言論」か? | 歴史の反省と表現の自由

    芸術品の来歴に対する関心がますます高まっている。略奪された過去を持つものを返還する動きもある。米ニューヨーク州では、ナチスが略奪した芸術品についてはその来歴を明示すべしとの法律が施行されたばかりだ。だが、進歩的と思えるこの法律は「表現の自由」を侵害するものかもしれない──識者らに、米大手ユダヤ系メディア「フォワード」記者が聞く。 この記事は米大手ユダヤ系報道機関「フォワード」で最初に掲載されたものです。フォワードの無料ニュースレター登録はこちら。 ナチスに略奪された過去がわかっている芸術作品については、その旨を明記すること──。米ニューヨーク州知事キャシー・ホークルが美術館や博物館にそうした開示を義務づける全米初の法律に署名した際、これはホロコーストの犠牲者に敬意を払うひとつの方法だとアピールした。 だが、州の両院を全会一致で通過し、2022年8月より施行されているこの法律は、米国憲法に反

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  • 英首相の職に就くリシ・スナクの家族に注目─妻は「インドのビル・ゲイツ」の娘 | 超エリートにして超大金持ち

    ダウニング街10番地(英国首相官邸)に引っ越してくる家族が注目の的になっている。新しい住民は、リシ・スナクとその裕福なと2人の娘だ。 スナクは1980年、英国サウサンプトンで、東アフリカからイギリスに移民したインド人の両親のもとに生まれた。父親は一般開業医で、母親は薬局を経営していた。 3人きょうだいの長子で、名門パブリックスクールのウィンチェスター・カレッジで教育を受けたあと、オックスフォード大学に進学し、政治学、哲学、経済学を学び、優等学位を授与された。

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  • 毛沢東や習近平も乗る「中国最高級車ブランド」が日本に上陸 | 中国ニュース拾い読み

    中国を代表する老舗高級車ブランド「紅旗(ホンチー)」の日販売が始まった。日の第1号オーナーとなったのは、名古屋市在住の中国起業家。彼は「日人にも極上の乗り心地を体験してほしい」と語る。 毛沢東や習近平も乗車する高級車 「紅旗」は、毛沢東、鄧小平、江沢民、胡錦濤、習近平らが天安門前の軍事パレードで閲兵するために乗った大型リムジンで知られる。漆黒のボディ、丸いヘッドランプ、直線が際立つラジエーターグリル、赤い国旗を模したボンネットのマスコット──。 レトロで重厚感たっぷりの「紅旗」は1958年、国営第一汽車製造廠(現・中国第一汽車集団)が国家指導者や国賓送迎のために開発した、中国初の国産乗用車ブランドだ。ロゴは毛沢東の筆跡をかたどっている。 日初の「紅旗」オーナーとなったのは、名古屋市中区で観光会社の大地エージェンシー、大地不動産などを経営する中国・内モンゴル自治区出身のモンゴル族起

    毛沢東や習近平も乗る「中国最高級車ブランド」が日本に上陸 | 中国ニュース拾い読み
  • ビッグテックを取り締まる「審判」が必要である理由 | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」

    希少な資源を巡る競争は、人類の種としての進化や、西側民主主義の成功の核心にある。私たちは、料や住まい、配偶者の取り合いでライバルに打ち勝った何百万世代にもわたる生存者の産物だ。 2つの単細胞生物がエネルギー源を巡って競い合うように、1組の姉妹がテニス四大大会「グランドスラム」のトロフィーを目指して練習に励むように、競争はたゆまぬ努力と革新を促してきた。 自然科学者チャールズ・ダーウィンは、自分の研究を20年ほど秘密にしていたが、ある同僚が同じような理論を提唱していることを知ると「種の起源」の執筆に取りかかった。発明家のニコラ・テスラとトーマス・エジソンは、電気を動力とする経済の基盤を確立する過程で激しく反目し合った。 小説家のヘミングウェイとフィッツジェラルドは、互いを押しのけ合って現代アメリカ文学を生み出した。ラッパーのJay-ZとNasは楽曲で互いを罵り合い、歌詞の、そして文字通りの

    ビッグテックを取り締まる「審判」が必要である理由 | スコット・ギャロウェイ「デジタル経済の先にあるもの」
  • デイヴィッド・グッドハート「欧米の左派ポピュリズムの台頭をもたらしたのは高学歴者が抱える不満だ」 | 現代の分断をもたらたしたのは、知的職業の偏重

    フランスでは政治の分断が著しく、左派と右派双方でポピュリズムの台頭が著しい。2022年6月の議会選挙ではマクロン大統領率いる中道のアンサンブルは過半数を取れず、メランションが率いる急進左派の連合、ル・ペンが率いる急進右派のグループが議席数で続く。 なぜこれほどポピュリズムが支持されるのか──、現代社会の分断を複数の著書で読み解いてきたイギリスのジャーナリスト、デイヴィッド・グッドハートに仏誌「ル・ポワン」が聞いた。 現代社会に分断が生まれた原因 ある概念を知ったおかげで、物事の核心が急につかめるようになることがある。イギリスの作家デイヴィッド・グッドハートが提示した「エニウェア族」と「サムウェア族」は、そんな概念の一つだ。 エニウェア族とは、大都市に暮らし、アウトソースされにくい仕事に就いている人たちのことだ。住む土地を変え、グローバル化の恩恵を受けてきた層である。一方、グローバル化の弊害

    デイヴィッド・グッドハート「欧米の左派ポピュリズムの台頭をもたらしたのは高学歴者が抱える不満だ」 | 現代の分断をもたらたしたのは、知的職業の偏重
  • ラッセル・フォスター「体内時計の観点から睡眠を正しく理解しよう」 | 睡眠について私たちが知っていることの多くは間違っている

    「第三の細胞」と呼ばれる光受容体の発見により、ロンドン動物学会の科学メダルを含む数々の賞を受賞してきたラッセル・フォスターが、単著としては初めての著書『生活の時間 体内時計が睡眠と健康に与える影響』(未邦訳)を刊行した。睡眠と体内時計に関する研究の第一人者であるフォスターに、英紙「ガーディアン」が話を聞いた。 ──研究されている概日神経科学とはどんなものですか? 私たちの体内時計が24時間単位でどのように機能しているのか? それを理解するための基盤が、概日神経科学です。しかし、それだけではありません。 脳内でさまざまな物質がどのように関わりあっているのか、さまざまな遺伝子とそこから発生するタンパク質が、どのように人間の複雑な行動を生み出しているのかを明らかにしてくれるのです。このシステムが、私たちの生命全体に組み込まれています。 ──この分野の研究は楽しいですか? ここ25年間は、24時間

    ラッセル・フォスター「体内時計の観点から睡眠を正しく理解しよう」 | 睡眠について私たちが知っていることの多くは間違っている
  • 障がい者もホームレスも…ロシアの男たちがモスクワの路上でさらわれている | 無差別の強制徴募が始まった

    先週、モスクワのビジネス街に警察と軍が予告なしに現れた。彼らの目的は、ウクライナへ派兵する男たちを探すこと。 その使命を果たすべく、彼らは視界に入った男をほとんどすべて「捕獲」した。リハーサル中のミュージシャンもいれば、小包を配達中の宅配業者も。歩行に障害があり、泥酔していた50代半ばの男性まで連行していった。 「なぜ彼まで連れて行かれたのかわかりません」と語るのは、自身も近くの入隊事務所まで連行されたアレクセイだ。

    障がい者もホームレスも…ロシアの男たちがモスクワの路上でさらわれている | 無差別の強制徴募が始まった
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