雑草の隙間から、緑色の皮膚がチラリと見えた。チェッ……ゴブリンか。藪から二匹のゴブリンが飛び出す。身長百二十センチ、腰巻きを巻いただけの緑の身体に醜悪な顔を乗せ、手には棍棒を持っいている。 その醜悪な顔と緑の皮膚は、人間に嫌悪感を感じさせる。依頼人たちは、本物の魔物の出現に顔を青褪めさせていた。 「教授、後退して」 峰教授が後ろへ下がろうとした時、背後からも一匹ゴブリンが現れた。後ろの一匹は、タフガイ菊池に任す他無かった。俺は背負い袋を投げ出し、竜爪鉈を構える。 『ギギッグゲッ…』 素早くゴブリンとの位置関係を把握すると、俺は右から襲って来たゴブリンの棍棒を払い、前蹴りを醜い腹に叩き込んだ。腹を蹴られたゴブリンは、仰向けにひっくり返る。もう一匹が、俺の頭目掛けて棍棒を振り下ろす。鉈の柄で受け流しゴブリンに蹈鞴《たたら》を踏ませる。 俺は一回転して鉈の刃をゴブリンの首に叩き付ける。ゴブリンの
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