検証番組放送後の記者会見の冒頭、頭を下げる東海テレビの浅野碩也社長=8月30日午後2時すぎ、名古屋市東区(撮影・越田省吾) 「けっきょく人の不幸は飯のタネだったのか!」 「『つながろう』とか『寄り添います』とか言ってたのはうわべだけか!」 強烈な言葉がネット上に書き込まれている。テレビ番組を送り出す側に対する怒り。テレビの言葉は本音を隠した建前だったのか。災害や事故はしょせん他人事だったのか。そんな不信の嵐だ。 東日本大震災を経て、私たちの生活上の安心感や住民の連帯感が崩れ落ちた。原発事故で政治や企業、専門家などの日本型システムの脆(もろ)さも露呈した。 そんななかテレビには何ができるのか。殺伐とした光景を変え、かすかな光を当てることができないのか。人間の温かみやつながりを取り戻せないのか? 放送を通じ、絆を取り戻すきっかけを作れないのか? そんなことを真剣に考えているテレビ人は