野中 郁次郎(のなか・いくじろう)氏 一橋大学大学院名誉教授 1935年5月東京都生まれ。58年早稲田大学政治経済学部を卒業、富士電機製造勤務ののち、カリフォルニア大学経営大学院(バークレー校)でPh.D取得。南山大学、防衛大学校、一橋大学、北陸先端科学技術大学院大学などを経て現職。現在富士通や三井物産、セブン&アイ・ホールディングスの取締役も務める。「失敗の本質」(ダイヤモンド社)、「知識創造企業」(東洋経済新報社)、「イノベーションの本質」(日経BP社)など著書多数(写真:清水 盟貴、以下同)。 野中 ここ数カ月間の変化は、海外を含めた「金融恐慌」とでも呼ぶべき変化です。こうした大きな変化に対する唯一最善の解は存在しません。企業がその都度、対処療法的に対応していくことは難しいし、その必要もないのだろうと思います。経営者には「ジタバタするな」と言いたいですね。 今は変動に一喜一憂するより