これは、http2 Advent Calendar 2016の1日目の記事です。 現在、IETF で TLS 1.3 の標準化が大詰めを迎えています。僕も TLS 1.3 の標準化に参加しており、仕様の分かりにくい部分を直したり、TLS 1.3 を Haskell で実装したりしています。この開発日記のシリーズでは、TLS 1.3の仕組みを説明していこうと思います。 そもそも、なぜ TLS 1.3 が必要なのかは、TLSの動向をお読み下さい。なお、次のTLSのバージョンを何にするかは、現在もめていて、1.3ではなくなる可能性もあることに注意して下さい。 現在の実装 現在利用できる TLS 1.3 の実装の一覧は、Implementationsにまとまっています。僕がクライアントとしてよく使っているのは、Firefox Nightly、Chrome Canary、および picotls です