SES(システム・エンジニアリング・サービス)契約は奴隷契約だ――。技術者など人月商売のIT業界にいる読者に聞きたいのだが、そんなことを言い出す人がいたらどう思うだろうか。おそらく大半は「全くその通り!」と激しく同意するか、「何を今更、そんな分かりきった話をしているんだ」と冷笑するかのいずれかであろう。だが、SIerなどが組織する業界団体の幹部による公式な発言だったらどうか。私はその「大胆発言」にちょっと驚いてしまったぞ。 「そうか、SES契約は奴隷契約なんだ」と額面通りに受け取る読者はさすがにいないと思うが、ユーザー企業やテック企業の技術者らにはSES契約自体がピンと来ないかもしれないな。話の前振りとして、何でSES契約が奴隷契約(みたいなもの)だと言われるのか少し説明しておこう。SES契約とは、コンサルティング会社などが客との間で結ぶ準委任契約と同様の契約形態だ。客からシステムの開発や
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