日本国内で新型コロナウイルスの感染拡大がいったん落ち着いた。とりあえず第2波がやってくるまでは、いろいろと考える時間がある。 コロナの影響やその対応が日本の問題点をいろいろと浮き彫りにしたが、その1つが「自前主義」ではなかっただろうか。あらゆる政策に対して、日本は極めて特殊な方法によって、何から何まで自国だけで対応しようとしたように見えた。 自前主義とは、企業経営でいえば自社開発の技術や製品を既存の取引先とだけ販売や取引を行う垂直統合型のイノベーションモデルのことで、「自前主義=クローズドイノベーション」と呼んでいる。 自前主義には、確かにさまざまなメリットもある。人材や研究開発を自前で賄うため、成功すれば技術や利益などをすべて単独で獲得できる。日本を代表する自動車産業や家電メーカーは、残らずこの自前主義を貫いて世界で成功した時代があった。 ところが、自前主義には致命的な欠点がある。開発に