人類最速の男、「爆発力」温存 ボルト、準決勝へ進出 男子100メートル予選に出場、準決勝に進んだボルト=矢木隆晴撮影 【第9日、陸上男子100メートル 予選】 「人類最速の男です」。スタジアムに響く大音量の実況とともに、ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が五輪に帰ってきた。男子100メートル予選の4組。7レーンのボルトはやや硬い表情でスタートラインについた。 スタートは慎重に出た。2歩目の左足を着く際、少しバランスを崩したように見えた。「ちょっとよろけた。予選でよかった」。その後はいつもの速さで、中盤にトップに立つ。「俺のすごさは残り15メートル。終盤での爆発力だ」。予選ではその長所を封印し、最後は左を向いて流した。10秒09。余裕の1着でゴールした。 不安要素もある。7月1日のジャマイカ選手権で右太ももを痛めた。同月上旬に英中部バーミンガム入りして練習を続けたが、その間もドイツに渡って足の治