「キャラクターを能力の発揮できない不慣れな環境に投げ込む」のは王道アイディアの一つです 映画脚本でもよく好まれます 射撃の天才である優秀な堅物警察官が、新人コメディアンの振りをして会場に潜入することになったり……なんて、想像するだけでくすりと来るものがあるでしょう
theeigadiary.hatenablog.com 「白人に都合のいい物語」ばっかり見るのもよくないなと思って、もっとまじめに人種差別の問題に取り組んでいそうな映画をいくつか見た。 しかし、差別の問題について"真剣に"とか"都合の良さを抜きに"取り組むことって、やはりそもそも映画としての面白さには相反する行為であるかもしれない。 黒い司法 0%からの奇跡(字幕版) マイケル・B・ジョーダン Amazon たとえば『黒い司法』はずっとまじめで重苦しいトーンでつまらなかった。似たような題材でも、『マーシャル:法廷を変えた男』のほうが社会性とエンタメ性を両立していてずっと面白い*1。 www.netflix.com 『マ・レイニーのブラック・ボトム』に関しても、チャドウィック・ボーズマンの演技はすごいし最後まで観ることでこの映画のメッセージ性を理解することもできたが、まんま「戯曲」という感じ
●『容疑者Xの献身』 容疑者Xの献身 福山雅治 Amazon ずっと前にネットで情報を見たか友人からネタバレされたかでメインのトリックは知っていたんだけれど、そこを前もって知っていても特に面白さに支障がないタイプの映画で、そこはよかった。 要するに、北村一輝が演じる数学者・草薙の純粋な"献身"に惚れ惚れしつつ(悔しいけどこのタイトルは作品の魅力を実に的確に伝えていて素晴らしいと思う)、主人公の物理学者を演じる福山雅治のイケメンっぷりにも惚れ惚れして、ついでに柴崎コウ演じる女性刑事のそこそこの可愛さにもほんわかしておけばいい映画であるのだ(松雪泰子に関しては作中で美人と連呼されるせいで「そんな美人じゃないでしょ」という違和感が先立ってしまった)。 ja.wikipedia.org Wikipediaによると『メインの犯行とは別個の、道義的には遥かに悪質な行為がトリックの手段として淡々と描かれ
ハイパーインフレーション 住吉九 <完結済み>ガブール人の少年・ルークは大切な人を守るため「カネで戦う」ことを決意する…!!「超速!連載グランプリ2019」ゴールドグランプリ獲得作、堂々開幕!! [JC全6巻発売中]
あのさあ! 僕はねえ! 「劇場版になってGのレコンギスタは分かりやすくなった」って、TV版も序盤で挫折したようなやつが上から目線っぽく、簡単にわかってしまったなあって言うのが嫌いなんですよ!! 僕はわかろうとした!わかろうとしたんだよ!具体的には60回くらい(バックグラウンドでエンドレスリピート再生していたのも含めて)G-レコのTV版を見て、ベルリのストレスチェックと、それが反映している戦闘行動をビームライフルの一発、ビームサーベルの一振りのレベルで分析したんですよ!! nuryouguda.hatenablog.com それがてめえ・・・。自分からわかろうともせずに分かりやすく描き直されただけで、どいつもこいつも「分かりやすくなった」って簡単に言いやがって・・・。気に入らねえ・・・。 ちなみに今回の記事は1万8千文字あります。 (僕がテレビ放送中と、放送後の2回に渡ってクッソ長く解説文を
実力も運のうち 能力主義は正義か? 作者:マイケル サンデル 発売日: 2021/04/14 メディア: Kindle版 前回の記事で論じたように、サンデルによる能力主義批判の核心は、能力主義が人々の「心情」に与える影響についての議論にある。 生まれ落ちた環境のちがいや才能の有無などの「運」の要素を無いものとする能力主義では、ある人の成功はその人自身の能力と努力と意志が成せるものだと認識されて、ある人の失敗はその人自身の無能さや怠惰さが原因であると認識されてしまう。結果として、能力主義社会の勝者たちは驕りを抱き、敗者のことを侮蔑するようになる。そして、能力主義のロジックを内面化した敗者たちは屈辱を感じるようになるのだ……というのが、サンデルの主張のポイントだ。 とはいえ、『実力も運のうち』という本の面白いところは、批判対象である能力主義のロジックの魅力についても、ある程度までは説明されてい
Something went wrong, but don’t fret — let’s give it another shot.
『閃光のハサウェイ』観ました そのうち4K版出るべ。。。と思いながらもBlu-ray即買い……
「オレはナニを見せられたんだ…」と思って映画館から出て来た。 こんな気持ちになったのは、エヴァQのとき以来だ。 ネット上の反応を見てると、絶賛している人が多くて不思議なので、自分の感想を書きたい。 そもそも、原作の漫画「映画大好きポンポさん」のテーマは何か。 僕は、「創作者(クリエイター)のエゴ」だと読んだ。 ディーン監督、ミスティアさん、フランちゃん…の「ものを作りたい」「何者かになりたい」という「エゴ」がこの作品の肝だと。 「2」でポンポさんが披露した創作術を使って、「舞台×感情」で考えるなら、「映画界×エゴ」が、原作「ポンポさん」の「土台」だろう。 その「創作者のエゴ」を一番象徴するシーンが、ラストの「90分というところですかね」だったはず。 「大作感を出すため序盤はたっぷり…」と編集を始めたディーン監督は、「いや…」と思いとどまり、先輩監督の「その映画を見てもらいたい誰かのため作れ
世界は常に進化しており、変化し、成長するための新しいわくわくする機会を私たちに示してくれます。人生の経験を私たちが分かち合えば、他の人はそれを自分のことのように感じて、共感することができます。この社会的相乗効果によって、何世代にもわたって存続することができる伝統や伝説、もしくは物語が構築されます。さあ、あなたは、ストーリーテリングの旅をどのように始めますか? Storyboard Proは、すべてのすばらしい物語が始まるところです。 世界中の監督、演出家、が何十年も使用しているStoryboard Proは、アイデアを書き留め、シーンを構築し、ストーリーを精巧にして、あなた自身の条件で共有し、提案し、宣伝することができます。これは、描画、脚本作成、カメラコントロール、アニマティック作成機能、およびサウンドを組み合わせたオールインワンの絵コンテソリューションです。Harmonyとシームレスに
三池崇史監督インタビュー 歌とダンスで人の心を癒す『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ!』から「生まれる」もの テレビ東京系で放送中の『ガールズ×戦士シリーズ』第4作目『ポリス×戦士 ラブパトリーナ!』の映画版である『劇場版 ポリス×戦士 ラブパトリーナ! ~怪盗からの挑戦! ラブでパパッとタイホせよ!~』が公開中だ。「アイドル」「魔法」「怪盗」など多様なテーマを冠し、悪と戦う『ガールズ×戦士』たちの活躍を描いてきた『ガールズ×戦士シリーズ』。『ポリス×戦士 ラブパトリーナ!』では“ラブパトリーナ”たちが、ワルピョコ団によりラブを奪われた人々をラブタイホし、みんなのラブを守る姿を描いている。 『ラブパトリーナ!』劇場版でメガホンをとったのは、テレビシリーズで総監督をつとめてきた三池崇史監督だ。『十三人の刺客』『初恋 FIRST LOVE』など、様々なテイストの作品を世に送り出し、世界各国
フランケンハイマー監督の映画『RONIN』は、ソ連崩壊の余波が残る90年代の作品である。ソ連が崩壊した頃は、生活に困ったソ連の元・軍関係者が兵器を第三世界やテロリストに密売する可能性や、ソ連という敵を失ったことで欧米諜報機関の人間がリストラされる可能性が取り沙汰されていて、そのような世相が同作品には反映されている。 ロバート・デ・ニーロ(主人公)、ジャン・レノらが演じる「ソ連の崩壊に伴って仕事を失った東西諸国の諜報機関の元・工作員たち」が、アイルランド人らしき女性からリクルートされて、フランスのニースに滞在中の元・ソ連軍関係者と思しき男たちの持ち歩いている「怪しいジュラルミンケース」を強奪する非合法ビジネスに挑む…という話である。 このジュラルミンケースを巡る争奪線として物語は進行するが、その中身が何なのかは最後まで明かされない。ただ「非合法な真似をしてまで欲しがる人間たちが存在するような
[Tyler Cowen, “How rational was Spock?” Marginal Revolution, April 17, 2021] [ジュリア・]ゲレフは,こうした予測がどれほど当たっているのか気になって,正確に知りたいと考えた.「そこで,『スタートレック』全エピソードと映画版を全部通して調べてみたんです――見つけられるかぎりすべての書き起こしを調べて――それで,スポッックが「確率」「見込み」「偶然」「確実に」「おそらく」といった単語を使っている事例を検索してみました」とゲレフは言う.「スポックがなにか予測した事例をすべてカタログにして,その予測が当たったか外れたかをまとめていきました.」 その結果はどうなったか.ガレフの新著『スカウト・マインドセット』にも述べられている結果は,惨憺たるありさまだった.スポックの予測実績はひどいものだったし――「不可能」とスポックが言
物語に関係のないシーンなどやめて、少しでも話を進めるべきだ。 ちょっと待ってくれ。本当にそうか?その見方をしていたら昔のアニメやキッズアニメはどうなっちまう? なんてったって内容のほとんどが物語の本筋に関係のないエピソードだ。 ああいうアニメって、極端なことを言えば、関係無いエピソード切ったら総集編映画1本に纏めることも容易だろう。 いや実際ガッチャマンはテレビで105話あるのに110分の映画1本になった(テレビの尺でいうと5話分ちょっと)。リメイクしてもビデオ3本で済んだ。 じゃあ映画にする上でカットできる程度に物語に関係のない105話中の100話はやめるべき100話なのか?本気でそう思う? ガッチャマン分かんないならガンダムでもいいよ。ククルスドアンの島やニュータイプシャリアブルにどれほどの価値がある? あんなものは見なくたってガンダムの物語を楽しむ上で何一つ問題が無いはずだぜ。 なん
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