パキスタンの新鋭サーイム・サーディク監督による初の長編映画。伝統的な価値観に縛られる若き夫婦が、自分らしく自由に生きたいという願いとの狭間で揺れ動く姿を描く。パキスタン映画として初出品となったカンヌ国際映画祭で「ある視点」部門審査員賞とクィア・パルム賞を受賞した。本国では保守系団体の反発によって上映禁止なるも、ノーベル平和賞受賞者マララ・ユスフザイや俳優リズ・アーメッドらの支援によって上映が実現したことでも注目された作品。 大都市ラホールに暮らす保守的な中流家庭ラナ家は3世代9人家族。次男のハイダルは失業中だが、厳格な父は「早く仕事を見つけて男児を」とプレッシャーをかける。ハイダルの妻ムムターズは、やりがいのあるメークアップの仕事で家計を支えている。ある日ハイダルは、就職先として紹介されたダンスシアターでトランスジェンダー女性ビバと出会う。そのパワフルな生き方に惹かれていくハイダルだったが