今度のメルマガではFRBを中心に取り上げたい。 ① 資源高の主因として、FRBのQE2を挙げる論調が多い。国債を大量に買うと、ドルがじゃぶじゃぶと放出され、資源市場に流れ込んでいる、というわけだ。資源投機の源泉をFRBの金融緩和に求める見方である。もちろん、FRBとしては、このロジックを受け入れるわけにはいかない。資源インフレ抑制のために引き締めに動かなくてはならないからで、先般の記者会見で、バーナンキ議長はQE2の資源高犯人説をきっぱり否定した。 正しい否定ではあるが、金融政策の運営自体は微妙に揺れる可能性が高いことを解説してみたい。 ② バーナンキ議長が記者会見の定例化を検討している、と伝えられている。透明性の向上という観点では議長が直接対話する場を設けるのは理念的には正しい。ただし、理念的に正しいことが、正しい対話を生み出すとは限らない。現実は「話せば分かる」というものではないからだ