無名の人が有名な作品を真似するのは悪いことではないし責められるべきことでもない。真似された側が本来得るべき対価を奪われたと言えるときに初めて問題性が生まれる。 やや時事ネタ。 星海社の新人賞を受賞した作家・作品が、先行作品のパクリじゃないか、という疑問が呈される、という話題が少し前にあって、興味深かったので少し考えてみている。 その先行作品っていうのはそれなりに、というかその界隈ではかなり有名な作家・作品であるようで、でもそうなると、それって「そもそもパクリなのか? 」という気もする。 まあ、パクリとは何か、という定義みたいな話。 もちろん、パクったとされる側が、それを事実として行った(真似した)のだとすれば、ひとつの意味としては「パクった」と言ってもよいかもしれないが、じゃあそれを、もともと「パクる」という表現が包含している「悪いこと」でもあると言えるのかといえば、微妙ではないだろうか。