安倍首相の経済政策、俗に「アベノミクス」と呼ばれているような経済政策がいかなるものであり、どのような経済的帰結をもたらしたかについては、このブログでもすでに難解も言及しており、また言うまでもなく、巷の書店には、それについて書かれた様々な本が並べられている。 その上に何も語る必要はないのではないかと考える人もいるかもしれないが、以下では何度かにわたって、いくつかのことを記してみたい。 いうまでもなく、その「3本の矢」のうち、最も力を込めて積極的に宣伝されたのが「異次元の金融緩和」であった。この金融緩和がそれ自体としては、経済成長をもたらす上で何らの力も持たないことは、すでに何度も触れているが、ここでもまずその点を確認しておきたい。1930年代の大不況に際して米国の連邦準備制度理事会もこの金融緩和策を試みたが、失敗に終わったことは、必ずしもよく知られている事実とは言えないかもしれないが、少なく