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ブックマーク / antimainstreameconomics.blogspot.com (124)

  • 安倍氏の経済政策の経済的帰結 1

    安倍首相の経済政策、俗に「アベノミクス」と呼ばれているような経済政策がいかなるものであり、どのような経済的帰結をもたらしたかについては、このブログでもすでに難解も言及しており、また言うまでもなく、巷の書店には、それについて書かれた様々なが並べられている。 その上に何も語る必要はないのではないかと考える人もいるかもしれないが、以下では何度かにわたって、いくつかのことを記してみたい。 いうまでもなく、その「3の矢」のうち、最も力を込めて積極的に宣伝されたのが「異次元の金融緩和」であった。この金融緩和がそれ自体としては、経済成長をもたらす上で何らの力も持たないことは、すでに何度も触れているが、ここでもまずその点を確認しておきたい。1930年代の大不況に際して米国の連邦準備制度理事会もこの金融緩和策を試みたが、失敗に終わったことは、必ずしもよく知られている事実とは言えないかもしれないが、少なく

    maturi
    maturi 2017/06/30
    経済成長を促進するための経済政策を立案する者、また調査・研究する者にとっては、何故、従来の経済が不況状態に陥ったのか、その理由を明らかにし、それに対応することが求められる。アベノミクスにはそうしたこと
  • 偉大なるヴェブレン 

    「ある一定の、変動するが有効な限度まで、産出量の増加は大量生産の方法によって一単位あたりの逓減する費用で生産されるかもしれないことは経済学者にはよく知られている。この収益逓増または費用逓減の法則は、大規模機械産業一般におけるとまったく同様に、大規模な広告における顧客の生産にも当てはまる。」(307ページ) ここで「経済学者によく知られている」という節に注意してもらいたい。アダム・スミス(『諸国民の富』1776年)をはじめとする多くの経済学者は。「収穫逓増」の事実をよく知っていた。アダム・スミスが特に経済発展の途上にある国にとって外国貿易の利益を説明したことは、その点と関係している。つまり、増加する輸出需要によって生産量が拡大すると、規模に関する収穫逓増によって、費用が逓減し、その国の産業はより有利な状態になる。経済発展の途上にある国を特に強調するのは、そのような国は、国内市場が狭く、生産量

    maturi
    maturi 2017/06/14
  • グローバル化とナショナリズム・愛国主義の政治社会学 「きれいはきたない。きたないはきれい。」(シェークスピア『マクベス』)

    グローバル化とナショナリズム・愛国主義の政治社会学 「きれいはきたない。きたないはきれい。」(シェークスピア『マクベス』) しばしば一見して相反する、または矛盾する事柄が同じ人(政党、団体、組織など)から発せられることがある。が、人はそれを矛盾と感ずることなく、見過ごすことが多い。 もし同じ場所・同じ時間に同じ人がその二つのことを話したら、ほとんどの人は違和感をおぼえるだろう。しかし、場所的・時間的に分離してしまうと、相反事象や矛盾が相反ないし矛盾とは意識されないことがある。おそらく何らかの事情で人間の頭脳がそのように出来ているのであろう、というしかない。 一例をあげよう。現在、企業経営者たちは、どこの国でも、「グローバル化のメガコンペティションの中で経営が苦しい。だから賃金の引き上げなど労働条件の改善が難しい」と泣き事をいうのが常套である。これは経営者の職務のようなものである。しかし、場

    maturi
    maturi 2017/04/06
    グローバル化とナショナリズム・愛国主義の主張の根は、一つである。それはヴェブレンが指摘していたように、諸個人(企業の従業員ら大衆)を大企業に対する滅私奉公に動員させるための「徳目」を説くものである。
  • 分断社会・日本 なぜ私たちは引き裂かれるのか(井出英策、松沢裕策、岩波ブックレット、952)

    1970~80年代までの日社会は、そこそこの平等主義国家の上に成立していた。不平等は存在しており、それ自体として問題ではあったのだが、日社会の一部であり、多くの人の眼につかなかった。 しかし、1990年代初頭に1980年代末の真性バブルが崩壊し、金融危機が始まり、長期の平成不況に陥り、その後も1997年の橋財政構造改革期の金融危機の再発と、非正規雇用の拡大による(名目・実質)賃金水準の持続的低下、2001年の小泉構造改革にともなう再度の金融危機再発と賃金の低下持続、政府財政赤字の拡大と政府債務の大幅増加、減税・公共事業による景気浮揚策の不調、誰の眼にも明らかとなってきた少子化・生産年齢人口の減少、高齢者の増加などの一連の事象・問題のなかで、人々の心にも大きな変化が生じてきた。

    maturi
    maturi 2017/02/15
    止むことのない公務員バッシングの一方で、親がわが子に公務員になることを希望するさまは、滑稽でさえある。  いまや、メディアを覆い尽くすのは、白分よりも弱いものを叩きのめす「袋叩きの政治」であり、強者へ
  • マルクスの時代の経済とマルクス経済学、ケインズの時代とケインズ経済学、現代は?

    マルクスは、「ルイ・ボナパルトのブリュメール18日」の中で、歴史について次のように語っている。 人間は、自分で自分の歴史をつくる。しかし、自由自在に、自分で勝手に選んだ状況 のもとで歴史をつるくのではなく、直接にありあわせる、与えられた、過去から受け継 いだ状況のもとでつくるのである。 私も、まさにその通りと思う。人が生きている状況は、自分が選んだものではなく、好むと好まざるとにかかわらず、所与の前提として与えられている。このことは、人をとりまく思想的。精神的状況についても同様である。そこで、マルクスは、次のように続ける。 あらゆる死んだ世代の伝統が、生きている人間の頭のうえに悪夢のようにのしかかっ てくる。そこで、人間は自分自身と事物とを変革する仕事、これまでにまだなかったも のをつくりだす仕事にたずさわっているように見えるちょうどそのときに、まさにそう いう革命的危機の時代に、気づわし

    maturi
    maturi 2017/02/11
    一部の企業なら()。だが、社会全体の企業が同じように行動した場合には、社会全体の投資費用は増え、労働生産性は上昇し()消費重要は増えないため、生産は停滞し、(人口停滞の中でも)職・雇用はいっそう縮小す
  • 日本・ドイツ・イタリア・スペイン・韓国などの激しい人口減少: なぜか?

    ブログでも、ずっと前に合計特殊出生率(fertility)、つまり平均して一人の女性が一生の間に出生する子供の数が2またはそれに近い水準を維持している地域・国(アメリカ合衆国、イギリス、フランス、スカンジナビア諸国、ロシアなど)と、それよりもかなり低く、例えば1.3またはそれに近い地域・国(ドイツ、イタリア、スペイン、東欧諸国、日韓国など)に分化していることを、紹介した。 もちろん、次のことは多くの人が知っていることであるが、歴史的に見ると、近現代にほとんどの地域・国で人口転換が生じたか、または生じつつあり、それによって多産多死から多産少死を経て少産少死にいたる転換が生じ、この過程でいったん人口が急激に増加する時期を経て安定する時期に至る。 しかし、この人口転換を経た地域や国で、合計特殊出生率が2を維持していれば、長期にわたって人口は維持されるが、もし1.3~1.5の水準が今後とも長

    maturi
    maturi 2017/02/11
    この本面白かった記憶がある
  • なぜ格差は拡大したか? 税収構造の変化

    言うまでもないことですが、所得および富の格差(不平等)の要因の一つには、政府が以前は所得の再分配を行っていたのに、1980年代以降、それをやめたことにあります。もちろん、完全にやめたわけではなく、幾分かは現在でも行われています。 それがどれほどの規模(magnitude)なのか、統計で確認しましょう。といっても、特段、格別の新資料を紹介するわけではありません。政府(財務省)のホームページに載っているような統計にすぎません。が、なぜか政府や自民党(公明党も)はそれを人々に広く宣伝しようとはしませんし、またよほど強い関心を持ち・ある程度の訓練を受けた人でなければ、わざわざサイトを開いてみようとする人は多くないでしょう。 まず法人税ですが、これは以下の通りです。 法人税はかつて基準税率が43.3%でしたが、1980年代から下げられはじめ、また20世紀末、現在と引き下げられてきました。現在の基準税

    なぜ格差は拡大したか? 税収構造の変化
    maturi
    maturi 2017/02/08
    それはさておき、所得税減税と法人税減税が政府収入の減少に大きく寄与(!!)していることもまた言うまでもありません。
  • 今朝の東京新聞より アベノミクスの目玉(第一の矢)の破綻をブレーンが認め、瞞着財政主義へ転換か?

    今朝の東京新聞にアベノミクスのブレーンの一人、浜田宏一氏のインタビュー記事が載っている。 私に言わせてもらえば、浜田氏の話していることはかなりいい加減だが、それでもマスコミの絶賛で始まった「アベノミクス」が効を奏せず、失敗に終わったことは、はっきりと示している。人も(また浜田氏以上に、それにのせられた黒田日銀総裁も)当は困っており、黒田氏などは暗い表情になっているとの情報もある。 さて、浜田氏のインタビューのどこがいい加減か? そもそも浜田氏だけでなく、岩田規久男氏、黒田氏などの「リフレ論者」(この言葉使いも当は間違っているが)は、異次元の金融緩和が貨幣ストックを増やし、物価を2%ほど上げ、その効果によって、あるいは政府・日銀が景気回復に気になって取り組むから、国民もそれをくみ取って景気が大幅に回復するはずだという、その「期待」によって、「デフレ不況」なるものから必ず回復すると主張

    今朝の東京新聞より アベノミクスの目玉(第一の矢)の破綻をブレーンが認め、瞞着財政主義へ転換か?
    maturi
    maturi 2017/02/01
    ”金融政策ではマネタリズムの理論の一部を用い、財政理論ではそれに対立する理論を用いるなど、まったく無節操で、忙しいことだ。”
  • ロバート・B・ライシュ『最後の資本主義』を読む

    最近、頭痛がひどくほとんど何もすることがでなかったが、昨日から少し回復し、雑誌 Facta を読み、今日は屋でロバート・B・ライシュの『最後の資主義』(東洋経済新報社)を立ち読みしてきた。 書の日語タイトル「最後の資主義」というのは、ちょっと見ただけでは、どういう意味かよく分からないが、英文タイトルの方はよく理解できる。 Saving Capitalism: For the Many, Not the Few (資主義を守る。少数者ではなく、多数者のために) 現在のグローバル自由資主義は、----ご存じの----あの少数者(the Few)のために機能しており、----これもご存じのはずですが----あの多数者(the Many)から富を収奪し、少数者に移転している。もちろん著者が守ろうとしているのは、このような資主義ではなく、反対に多数者に平等に富を分かち合う経済システム

    maturi
    maturi 2017/01/24
    ガルブレイスは、20世紀中葉までの資本主義経済を支える「市場」において実際には人々が自由・平等な関係にはないことを強く意識していた。むしろ市場においては、多くの貨幣を所有する人々が絶大な力(power)を有し
  • 安倍首相の頭の中のアベノミクス

    これまでアベノミクスについて、様々(というほどではないか)な観点から検討してきたが、一つの点についてはまったく検討していない。それは、安倍首相の頭の中ではどうなっているのかという点である。これは非常に興味深い問題だが、残念ながら、論じるための材料がほぼまったくないも同然である。したがって、まともな経済学者なら避けるにちがいない問題である。 私が以下に述べることも、ほぼ仮定の話しとなる。ブログを読みすすめる人は、その点を了解した上で、読んで欲しい。 さて、最初から大きな仮定の話しだが、安倍首相は、(1)アベノミクスを心から信じていると考えていることも可能であろうし、(2)まったく逆に信じてはいないが、憲法改正等の政策を実現するために、有権者の票を期待しなければならず、そのためにたとえ有権者を瞞着するものであろうとも、人気取り政策を実施しなければならないと考えていると仮定することも可能であろ

    maturi
    maturi 2016/11/08
    普通なら、経済政策を説く場合、問題となる事象の理由・要因が何なのか、多少とも学問的に検討するはずであるが、ただ、アベノミクスをしっかり実施すれば、「デフレ不況」を克服できますと繰り返すばかりである
  • 今日の「アベノミクス」

    日銀が五度目の「2パーセント達成」目標の延期を決めた。 最初は、2014年度中にだったかな。それが達成約束期間が近づくと、いつも先に延期するということを繰り返してきた。 世には、オオカミ少年の例えもあるが、そうはならずむしろ「百年河清を俟つ」ことになるのは必至の状況といえる。 とはいっても、当は、このまま物価が毎年2年も上昇したら、私たち庶民は困ってしまう。 例えば年金が毎年3%とか4%ずつ上がるのならいいだろう。物価が2%上がっても、実質的には1%、2%ずつ増えてゆく。計算すると、毎年1%増えるだけでも、約67年で二倍になる。30年では、約1.4倍だ。毎年2%なら約33年で2倍になり、16年ほどで1.4倍になる。 だけど、もし年金が増えずに、物価だけ上昇したら、年金支給額は、16年で、実質72%ほどに減ってしまう。それなのに、減ってしまったら、どうなるのか? 一体、黒田日銀は何をとち狂

    maturi
    maturi 2016/11/08
    アベノミクス
  • アベノミクスとは何か? 幻想と真相

    講演用に作成した原稿です。急いで作成しましたので、不備な点が多々あるかと思いますので、少しずつ推敲・改稿するつもりです。 2013年初の安倍政権の誕生以来、「安倍の経済政策を意味する「アベノミクス」なるものが登場し、それは長期にわたる日経済の「デフレ不況」を克服するための経済政策であると説明されてきた。しかし、実際には、どうなのだろうか? またあるところで安部首相は、「民主党政権」の時代に低下してきた(?!)賃金(雇用者報酬)の引き上げを実現するとも約束した。この約束(公約)は果たされたのだろうか?

    アベノミクスとは何か? 幻想と真相
    maturi
    maturi 2016/11/01
    予想したメカニズムの何がワークして何がワークしなかったのか総括的に
  • 「トリクル・ダウン」理論の歴史、というほどではないが・・・

    世に「トリクルダウン」という語句があるが、この語句の意味するところにもそれ相応の歴史があるようである。 私の知る限りでは、この語句は、最初--かどうかわからないが、とにかく1930年代初頭という早い時期に--ウィル・ロジャース(Will Rogers)という人物(humorist)によって使われたようである。1930年代初頭というと世は、「大不況」の真っただ中。当時、アメリカの大統領だったハーバート・フーバーがある種の政策を取っており、それをロジャースが皮肉った。 「お金が、お金を持たない人々にしたたり落ちるという希望の中で、ほとんどすべてが上位階層(top)のために横取りされてきた。」(money was all appropriated for the top in hopes that it would trickle down to the needy.) ここに見られるように、「

    maturi
    maturi 2016/10/20
    新自由主義政策とは、賃金を抑えて、利潤を増やす政策であり、増えた利潤や所得にかける租税も減税するというもの。それが続く限り、賃金が上がらないのは当たり前の話。  賃金をあげるには、新自由主義をやめて、
  • ケインズの乗数理論は、波及効果の理論ではない! 財政乗数の理論でもない!

    ケインズの『一般理論』に乗数(multiplier)が出てくるのは、この著書を読んだことのある人ならもちろん、経済の専門的研究者でなくても多くの人が知っているだろう。

    maturi
    maturi 2016/10/08
    波及論的乗数(byカーン)のケインズによる否定(即時的乗数)は伊東も詳述しているが「入門経済学の歴史(根井雅弘、ちくま新書)」p118でも簡単に解説されていますね
  • アメリカとイギリスで始まる若者の新しい動き 「新自由主義」批判の波

    アメリカとイギリスの若者の間で、新しい動きがはっきりしてきました。 それは、新自由主義(ネオリベラル)政策と決別し、新たな社会主義を模索する動きです。 そもそも1980年頃まで、世界経済は現在とはかなり異なる状態にありました。 いわゆる「資主義の黄金時代」(golden age of capitalism)といわれる時代にあって、経済の成長率もかなり高かったわけですが、それ以上に特徴的だったのは、労働生産性の上昇とともに、それに比例して、あるいはそれ以上に人々の雇用者報酬(賃金)が引き上げられていったことです。 そのため、最近日でも注目されたサエズ、ピケッティの研究が示すように、戦中から戦後にかけて大幅に縮小した所得格差がふたたび拡大することはありませんでした。そして、この時代に大衆消費社会が到来し、中間階層といわれる階層が出現しました。 ところが、1979年のイギリスの総選挙、それに

  • 昨日の東京新聞の注目記事 アベノミクスの幻想を示す

    先々月(8月)の22日に白内障の手術を受けてから、約5週間。やっと眼科の先生から仕事復帰の 許可がおり、運転免許証更新の際の視力検査もかるがると通過。世界がはっきりと見えるようにな りました。 このブログは、書きかけのものが多く、為替相場、EU、英国のEUからの離脱(Brexit)など、中途 半端のまま終わっているものが多々ありますが、その理由は、書きながら調べ、調べながら書いて いるので、また途中でウチナーグチ(沖縄語)やアイヌ語、日古代史(近年のDND分析によるも のなどと含む)、趣味的な事柄に関するや(場合によっては)専門的な論文などを読みだすもの だから、なかなか先に進まないという事情もあります。 それに昨年からは、「九条の会」の活動もあり、さらに日米欧の軍産複合体研究のことも加わり、 忙しくなりました。 さて、昨日(10月1日)の東京新聞からいくかをピックアップします。 1面

    maturi
    maturi 2016/10/04
    配当に対する税率が【何十億円、何百億円でも】20%であり、きわめて不公正である ことが書かれています。  私が本ブログで前に示したように、大企業の「実際の」法人税もきわめて低く、また安部政権によ ってこっそ
  • マーガレット・サッチャーの迷言 「社会といったものなどない。」

    かつて(1980年代に)イギリスの首相を務めたマーガレット・サッチャー氏(故人)は、かずかずの名言(迷言?)を残しました。 「他の代替案はない。」(There is no alternative. 略してTINA) 「くやしかったらがんばりなさい。」 「社会というものなどない。」 (その他は省略します。) 「他の代替案」というのは、彼女の推進する「新自由主義政策」で、「くやしかったらがんばりなさい」というのは、これからは何でも「自助」でゆくから、貧しいひとは一生懸命頑張って豊かになりなさい、といった意味ですjが、そもそも社会では、スタートラインに大きな格差があるのだから、誰でも頑張れば大金持ち(資産家)になれるわけではありません。 このうち「社会というものなどない」(There is no such thing as society.) というのは、社会科学者なら少々考えさせられる言葉です

    maturi
    maturi 2016/10/04
  • 税金を払わない巨大企業 2 アベノミクスは所詮供給(企業)側の経済学の失敗例に過ぎない

    四~六月期のGDPは、名目0.2パーセント、それから物価上昇分を差し引いた実質GDPは0パーセント。個人消費は0.2パーセント。 政府は、公共事業を中心に景気の活性化を狙うが、その効果は小さく、後には借金が残る。しかも、財政赤字の拡大を理由に社会保障費の負担増や消費税の引き上げがまっている。まさに「三重苦家計を圧迫」という状況が続く(日の「東京新聞」朝刊より)。 さて、そのような訳で、今日の「東京新聞」社説は、「三年続くアベノミクスはあらためて効果が乏しいことを裏付けた形だ。四~六月期の実質国民総生産(GDP、速報値)は横ばいだった。「道半ば」ではなく、誤った道を進んでいると気づくべきだ。」としています。 まったく同感と言わざるをえません。 さて、これまでもアベノミクスについては、ブログでも主に金融の観点から、批判的に検討してきましたが、まさにこの点では、アベノミクスの異次元の金融緩和

    maturi
    maturi 2016/08/17
    ”しかし、アベノミクスには別の側面があります。それは供給側、つまりは企業側の経済学に依拠しているという側面に他なりません。 ”
  • 税金を払わない巨大企業

    昨日、横須賀中央駅前を通ったところ、「年金生活者」のグループが、政府によって毎年老齢音金額を減額されてゆく現状を訴えていました。私も今年から、年金生活者の一員となり、生活不安を抱えている身。将来が不安になります。もちろん若干の蓄えはあるとはいえ、将来不安(健康、自己、子供たちのこと)のため、思い切って消費を増やす気にはなれません。 その上、消費税の10パーセントへの増税は、自民党の選挙対策の一環としてさしあたりは見送られましたが、選挙に勝ち、「改憲勢力」の3分の2を確保した自公政権にとっては、消費税の引き上げを延期する理由はなくなりました。形式的な理屈上は、日全体の消費需要がかりに350兆円だとすると、2パーセント・ポイントの引き上げは、7兆円の税収増をもたらすことになります。ただし、これは大衆増税によって景気が悪化しなければの話であり、経済理論の常識やこれまでの経験に照らすと、(政府が

    税金を払わない巨大企業
    maturi
    maturi 2016/08/17
    企業所得が同じだった1989年を基準にとれば、3.5兆円ほどの法事税の減収です。  これは、歴代の日本政府が企業優遇税制、というより大企業の租税逃れを手助けしてきたために他なりません。
  • 連合王国(イギリス)のEU離脱を考える(1)

    昨年の11月にブログを更新してからあっという間に半年あまりが過ぎてしまった。 この間、退職と移転を前に身のまわりを整理したり、引っ越しをしたり、体調をくずしたり、退職後にちょっとした国内旅行をしたり、しているうちに、(数えるとちょうど)7か月が過ぎている。 さて、先日はイギリスのEU残留・離脱を問う国民投票があり、また国内では7月10日の選挙をまじかにひかえ、マスコミも様々な視角から取り上げているので、私も、経済および経済学を研究しているものとして、それらについて若干の雑感じみたものを書いてみることとする。 まずは、イギリスのEU離脱について。 これについて、私の気持ちはアンビバレントである。一面で、イギリスがEUから離脱することは、いうまでもなく「一つのヨーロッパ」(one Europe, eine Europa)の理念からすれば、後退であろう。残念という気持ちがなくはない。しかし、他面

    maturi
    maturi 2016/06/28
    賃金所得者所得抑制、1パーセント富裕層大幅増加。  なぜか? 端的に言えば、この理由は利潤所得取得者の力が相対的に強くなったためというしかない。しばしば市場経済優先主義者は、多数の競争者からなる「自由市